仁淀ブルー通信編集部だより(252)

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 天気は曇天、でも私の胸の高まりは晴れそのものでした。椿山ただひとりの住人、中内健一さんはこの日、どこかで仕事をしているはずと聞いていたので、まずは中内さんの所在を探すところから始まった二度目の椿山探訪。荷台に愛犬ラッシュが乗っている軽トラックを発見したのは、地区の墓地の入り口。そこからは徒歩で斜面を降りていくのですが、前日の雨でぬれた地面が滑りそうでヒヤヒヤの連続。次に来るときはせめて、靴の裏がすり減っていない靴で来ようと心に決めました(笑い)。
 やっと出会えた中内さんは墓地脇の斜面にイノシシの罠を仕掛けているところでした。ジェスチャーを交えながら、楽しそうにイノシシの罠のシステムを解説してくださいました。また自身手作りしたニホンミツバチの巣箱小屋(巣箱を12個ほど置いている)についても本当に楽しそうにお話されていて、椿山での暮らしを心からエンジョイしている様子が伝わってきます。そんな中内さんの活き活きとした横顔を見ていると、「好き」という気持ちが過疎の山暮らしのエネルギーになっているのだと感じました。
 前回は集落内のどの道がどこへ続くのかわからずどこへ行くにも迷路の中をさまよう感覚でした。が、二度目ともなると一度通った道はカラダがちゃんと覚えていて、そんなことを発見する楽しみがありました。また、コロナ自粛生活で堕落しまくっていた私は、久しぶりに良い汗をかけて清々しい気持ちになりました。
 また、太鼓踊りは「見学」だけの予定だったのですが、ご厚意で「体験」までさせていただけることに。初めは仲田さんと薬師寺君の男子だけが踊りの練習に参加していて、私は羨ましいなと思いながらカメラを構えていました。すると瀧本さんが一言「田中さんは鉦持って」と声をかけてくれました。「やったー!」内心ガッツポーズで鉦を持ちましたが、その重さに愕然。腕力には自信があったのですが、これをずっと手持ちで鳴らせるのか一気に不安になりました。「適当に太鼓に合わせて鳴らしてくれればいいき」と瀧本さん。その言葉に励まされ太鼓踊りの輪に参加。太鼓踊りには何曲も種類があるのですが、皆さんそれを暗記していて歌いながら踊ります。太鼓踊りの歌詞が書かれている資料には、リズムや音調、間合いや踊りの振付けなどの記述は一切なく、目とカラダで覚えるしかありません。このことからも太鼓踊りがいかに丁寧に伝承されてきたのかがひしひしと伝わってきました。そして、その伝統に自分も参加できていることに感銘を受けました。焚火を囲みながら輪になって踊るなどという体験をしたことがなかったので、まるで異国に来たような気持ちになりました。リズミカルな太鼓の響きや、焚火のにおい、中内さん、瀧本さんたちの歌声と、バチの尻についている飾りがこすれる音…。伝統の太鼓踊りを五感で体験することができ、強い高揚感に包まれました。

(高知大学地域協働学部3年 田中李奈)

仁淀ブルー通信編集部だより(251)

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 山荘しらさを探訪する今回のトレッキング取材ですが、約35年になる私の山人生でも有数のきつい登山となりました。センスのいいロビーで美味しいランチとスイーツとコーヒーを存分に楽しんで、眠気さえ誘う午後にふと我に返ると、「あの山道を戻るのか……」という現実。トレッキングで山荘しらさを訪れるなら、宿泊することを強く提案します。

(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)

仁淀ブルー通信編集部だより(250)

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 約2年ぶりの登場となります、高知県在住のライター高橋さよと、編集者カミオカミヤビです。黒笹編集長からの「食いしん坊コンビで、またグルメ記事を書いてよ!」という命を受け、再び仁淀川流域を食べ歩きたいと思います。
 さて今回は、我々が3年前に取材したいの町の名店「うを兼」さんの新店舗におじゃましました。
 魚屋の軒先で行き交う車を眺めながら、家庭的というにはレベルが高すぎる定食を立ち食いする…旧店舗での体験はあまりにセンセーショナルでした。果たして今回、それを上回る感動が味わえるのか…? なんて疑問は一口目を食べた瞬間どこへやら。我々は、仁淀ブルーの新たな食ポテンシャルの扉を開けてしまったのです。
 きれいな川沿いには、うまい店がある…なんて格言があるかどうかは知りませんが、皆様に「味覚で愛でる仁淀ブルー」をお届けすべく、アラフォー2人が胃袋の限界に挑戦してまいります!

(仁淀ブルー通信編集部員 高橋さよ&カミオカミヤビ)

仁淀ブルー通信編集部だより(249)

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 小学生のころ、川や池での釣りが好きでした。だからでしょうか、河川敷の野の道を自転車で走ると、いろんな記憶が甦ります。タイヤが石や木の根を乗り越えるたびにカゴの釣り道具をふっとばしたなあ、とか。グラベルバイクは少年に戻れる遊びですね。

(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)

仁淀ブルー通信編集部だより(248)

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 24年前のこと。英国(スコットランド)の、「英国一の野鳥の楽園」と称される孤島の小学校で、2時間の特別授業(日本文化について)をしたことがあります。生徒数は15人ぐらい。驚いたのは、彼らがとてもしっかりしていたこと。まるで大人と話しているようでした。とさ自由学校の子どもたちの目にも、同じような光を見た気がします。

(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)

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