仁淀ブルー通信編集部だより(157)
山また山で、なかなか全貌を把握できないのが仁淀川町の面白いところ。訪れるたびに、こんな風景が、清流が、文化があったのかと旅行者は発見の興奮を味わえます。個人的におすすめなのが、大石さんの話にも登場した、「約150の集落が標高100~700mに散在しています」という天空の集落。そこへの道はカーナビやグーグルマップに記載されてない確率が高いので、国土地理院のホームページから地図をプリントアウトして持っていきましょう。
(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)
仁淀ブルー通信編集部だより(156)
『越知ぜよ!熱中塾』の入塾式に使われた校舎は横倉山自然の森博物館。日本の植物学の父である牧野富太郎博士(佐川町出身)が研究対象にしためずらしい植物や、日本最古の地層(約4億年前の地層や岩類が広く分布)など、横倉山の貴重な自然について展示解説しています。仁淀川流域の自然に魅了されたり、この地域の自然をより深く理解したくなったらぜひ訪れてほしい博物館です。建物は著名な建築家、安藤忠雄さんの設計によるもので、建築ファンにも外せないスポットになっています。上の画像は博物館の展望テラスからの眺め。これほど大自然に抱かれた近代的な博物館は珍しいのでは。
(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)
仁淀ブルー通信編集部だより(155)
子供たちが目を輝かせる「遊び場」は? 今ならテーマパークやショッピングモールでしょうか。すこし昔はデパートの屋上か遊具の多い公園かな。じゃあ、もっと昔は? となると、それは「裏山」ではないでしょうか。 裏山にはなにがあったかな? 絶叫アトラクションのかわりに、ロープにぶら下がったり、登ったりしてターザンになれる大木がありました。眺めのいい洋風の城のかわりに、町の向こうまで見渡せる野原もあった。アメリカの駄菓子(ジェリービーンズとか)みたいな色彩のキャラクターのかわりに、ハッとするような美しさで舞う蝶や、カッコいい甲虫やトンボを友達にできたものです。加茂山は、そんな裏山での楽しい記憶がよみがえる低山です。
(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)
仁淀ブルー通信編集部だより(154)
仁淀川をとり上げる多くのメディアに共通に見られるのは、「高知の奇跡の清流は四万十川だけじゃない、仁淀川もありますよ」というアプローチだ。それだけ従来の四万十川ブランドは強く、全国区であるということでしょう。
仁淀川流域6市町村の観光と暮らしのメールマガジン「仁淀ブルー通信」を3年余り作り続けている編集長として、仁淀川観光が四万十川観光のついでだったり、おまけだったりする時代はそろそろ終わりにしたいと思っています。
誤解を恐れずに言うならば、これからは「仁淀ブルーの水で水遊びがしたくて」「仁淀川の暮らしが体験したくて」高知にやってくる県外・国外の観光客がどんどん増える時代にしたい。そうすれば流域に暮らす人たちの意識と暮らしが劇的に変わると思うのです。
(仁淀ブルー通信編集長 黒笹慈幾)
仁淀ブルー通信編集部だより(153)
笹倉湿原は不思議で魅力に満ちた空間である。
そこに行き着くまでにはいろんな表情の森を歩くことができるし、その時々の森の持つ湿度とか匂いを感じながら歩くことができるからだ。
美しく輝くウマスギゴケで覆われた湿原だが、その周りは杉の植林で取り囲まれている。平坦な場所なので植林がしやすかったのだろう。スカイラインから延びる作業林道は、この場所の植林の為に作られたのかもしれない。大きな自然の中にある人工物(植林は人工の林なので)には抵抗があるが、この場所では不思議と調和している。周りの風景と同化していて違和感がない。樹々と苔と水が織りなす、桃源郷のような素晴らしい風景だ。
険しい稜線の直下にあり、限られた者しか辿り着くことができない神の領域…。道標ができ赤テープが明瞭になった今でも、僕の中にはそんなイメージが焼き付いている。単なるノスタルジーかも知れないのだが。
*写真の場所は面河渓谷。
前田博史ホームページ
(天然写真家 前田博史)