2020.07.03仁淀ブルー水槽のお魚補給大作戦!

仁淀ブルー水槽のお魚補給大作戦!

仁淀ブルー通信の発信元は一般社団法人仁淀ブルー観光協議会。仁淀川流域6市町村、河口から順に土佐市、いの町、日高村、佐川町、越知町、仁淀川町の観光情報やツアー情報発信を担う組織です。その事務所に隣接したロビーに巨大な「仁淀ブルー水槽」が据えられています。この中には「奇跡の清流」仁淀川を泳ぐたくさんの種類の魚たちがいて人気になっています。しかし協議会スタッフから「今年の春ごろから魚たちが次々に死んで、水槽がめちゃ寂しくなっています」という知らせが編集部に届いた。さっそく見に行くと確かに魚の数が明らかに減っていて、しかも水槽ガラスの内側に緑の苔が生えて見栄えも悪い。これじゃあ困るなあ、ということで釣りバカ編集長・黒笹の出番になりました。果たして仁淀ブルー水槽へのお魚補給大作戦、うまくいったのでしょうか?

 [1]は去年の同じ時期の「仁淀ブルー水槽」の様子。アユをはじめ、カワムツやモツゴ、カマツカ、ゴリ、タナゴ、川エビなど多様な仁淀川の魚たちがせわしく泳ぎ回っていました。一方、[2]は今年の春の様子。「これを何とかしないとね」というわけで、仁淀ブルー通信編集部の出陣となった次第です。。

article223_01.jpg[1]魚で溢れていた去年の水槽。
article223_02.jpg[2]寂しくなった今年の水槽。

 じつは、仁淀ブルー観光協議会はJR西佐川駅の構内にあります。JRから譲り受けた駅舎を改装してその一角をオフィスにしているのです。ステキですね。そしてそれに隣接するロビーに今回モンダイになった(笑い)巨大水槽が据えられているのです。その様子は2018年7月20日配信の仁淀ブルー通信でもレポートしていますのでご覧ください。

article223_03.jpg協議会オフィス横のロビーは迎えの車やバスを待つ高校生たちの憩いの場でもあります。

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article223_05.jpg西佐川駅の下りホーム。レトロなたたずまいが鉄ちゃん(鉄道ファン)に人気がある。木製の跨線橋は青春18切符のポスターにもなった。

article223_06.jpg駅構内にある仁淀ブルー観光協議会のオフィス。

 さて、魚の捕獲をどこの川でやるか、いろいろ考えた結果、協議会オフィスのすぐ前を流れる柳瀬川に決めました。決して手を抜いたわけではなくて(笑い)捕獲してからの運搬を考えるとできるだけ近いほうがいいという理由からですが、じつは柳瀬川は仁淀川水系でいちばん魚の種類が豊富という水生生物の専門家の見立てもあったからです。つまり生物多様性が優れている川なんですね。

article223_map.jpg柳瀬川流域の地図。

article223_07.jpg仁淀川に合流する直前の柳瀬川の風景。

 柳瀬川は佐川町の南、須崎市との境界にそびえる標高769mの蟠蛇森(ばんだがもり)を水源に持つ清流ですが、佐川町内を流れるうちに適度に生活排水が入りこんで、結果、生き物たちの住みやすい栄養分を含んだ水質になって(笑い)、最後は越知町で仁淀川本流に注ぎます。「水清くして魚棲まず」とはよく言ったものですね。

article223_08.jpg柳瀬川のニホンイシガメ。貴重な日本固有種。

 仁淀ブルー通信お魚調達班が選んだ、JR西佐川駅近くの柳瀬川の様子を動画でご紹介しましょう。

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 どうですか、コンクリート護岸に囲まれたちょっと残念な渓相ですが、魚たちの隠れ家はたくさんありそうです。葦の根元とか、コンクリート護岸のスキマなどにガサガサ網を遠慮なく突っ込んでいきます。水中動画でご覧ください。

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 おっと、いきなり網の中に何かが飛び込んできました! ななんと、巨大なナマズです。続いてもう一匹、追加です。予想通り、柳瀬川の生物の濃さはハンパないレベルです。ナマズは夜行性の魚なので、のんびり昼寝しているところを我々に襲われたんでしょう、気の毒ですね(笑い)。

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 せっかく捕まえたナマズですが、水槽に入れると夜のうちに他の魚を食い殺してしまう獰猛なハンターなので今回は水槽に入れず、放すことにしました。次に網に飛び込んできたのはスッポンの赤ちゃん。どうです、かわいいでしょ。でも手を出すといきなり食いつこうとします。さすが野生生物、油断できません。

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article223_09.jpg甲羅のサイズが15cmほどのスッポンの赤ちゃん。

 ナマズの次はスッポンかあ、ガサガサ遊びとしては超面白いのですが、今回は水槽に入れる魚の捕獲が目的なので、うれしいけれど困ります(笑い)。諦めずにしんぼう強くガサガサの網を色々なところに突っ込みますが、はかばかしい成果なし。

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 ここで編集部が持参した捕獲用具の紹介をしましょう。まずはガード付きの手網がふたつ。それからコンパクトにたためる網製トラップひとつ。トラップには集魚剤の入った練り餌を団子にして魚が迷い込むのを待ちます。

article223_10.jpgガサガサ用の手網。網を傷つけないよう周囲に鉄製のガードがついているので、遠慮せずに色々なところに突っ込める。

article223_11.jpgこちらは網製のトラップ。小さく折りたためるので便利。

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さあて、次は沈めておいたトラップを回収に行きましょうか。どうでしょうか、果たして魚は入っているでしょうか。動画をご覧ください。

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 入っていました! 目指すカワムツとレアなムギツクもトラップに。やれやれです。どうやら体力勝負のガサガサ網よりも待ち伏せ攻撃のトラップの方が効率がよさそう。でも網に入るのは小さいサイズばかり。ここはもっと大型のカワムツが欲しいところ。
 そこで、仁淀ブルー釣りバカ編集長(ちなみに私のことです・笑)秘伝のフライ・フィッシング(西洋式毛ばり釣り)による大型カワムツ一本釣りの映像をご覧いただきましょう。

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article223_13.jpg毛ばりで釣れた大型のカワムツ(オス)。毛ばりはアメゴ(アマゴ)釣り用のもの。

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 さて、いよいよガサガサ網、トラップ、毛ばり釣りと、さまざまな採集方法で捕獲した魚を仁淀ブルー観光協議会の水槽に運び、移すことにします。どうです、少しにぎわいが戻ってきましたね。これからはアユやタナゴ、カマツカなども捕獲次第、ちょくちょく補給に走ろうと考えています。西佐川駅に立ち寄った際にはぜひ水槽を覗いてみてください。

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(仁淀ブルー通信編集長 黒笹慈幾 )

★次回の配信は7月17日予定。
「牧野富太郎の見た風景(2)」をお届けします。
お楽しみに!

●今回の編集後記はこちら