2019.08.09真夏の仁淀川河口でメチャ楽しい早朝テナガエビ釣り

暑さの厳しい8月の朝は、ちょっと早起きをして仁淀川河口に。涼しい海風を胸いっぱい吸いながら足場のしっかりした安全な河畔でテナガエビと遊んでみませんか。小学生以上の子どもならば安心なファミリーフィッシング。この日は意外なお客さんも釣れちゃったんです。
8月に入ってからの仁淀川の川遊びといえば、日中は暑すぎるので、ついつい水遊びに走りがちです。でも今回は早起きをして涼しいうちに河口のテナガエビに遊んでもらおうという提案です。仁淀川ではテナガエビは河口から中流、そして源流の沢まで幅広く生息しています。近年は清流四万十川のテナガエビの不漁が続いていて話題になりましたが、仁淀川はまだそこまでは減っていないと専門家は言っています。専門家といっても釣り好きな私と私の釣り仲間なんですがね(笑い)。
そこで、例年今の時期はアユの友釣りに夢中になっている釣り仲間に声をかけて、仁淀川河口のテナガエビ釣りにやってきました。9mの鮎竿の代わりに持参したのは1.8mの小物竿。これで足元の護岸の隙間にエサを落としこんで釣ろうというわけです。河口近くのテナガエビのポイントは写真のような場所で、近自然工法で大きな自然石が護岸にびっしり敷き詰められているところがほとんどです。ですから足元は比較的しっかりしているので子ども連れでも安心して釣りに専念できます。




しかしこのあたりは海の干満の影響をもろに受ける汽水域なので、満潮時は水位が高すぎてテナガエビ釣りには不向き。この日も満潮から下げ潮にかけてが釣りやすかったし、潮が動いた方がテナガエビの動きも活発になるようだ。川の生き物なのに海の魚たちとよく似た動きのところが面白い。それからエサも河口域のテナガエビはミミズよりもゴカイの仲間のジャリメ(シロギス釣りのエサとして売られている)のほうを好むようだ。常食しているエサの違いだろう。ということは、たぶん中・上流に住むテナガエビの場合はミミズが好きなはず。テナガエビに聞いたわけじゃないのであくまでも私の推測ですがね(笑い)。


実際に釣ってみての感想。水深50cmくらいの浅いポイントを狙って、エサをテナガエビの潜んでいそうなそうなスキマに落とし、食ったのを確認して合わせる釣り、つまり「見釣り」がいちばん確実で、しかも楽しい。エサを見つけたテナガエビは石と石の隙間や木や落ち葉の堆積物の下からゆっくりと現れる。まずはあの長ーいハサミが、次にボディがそろそろと警戒しながら(たぶん)現れます。しかし、エサを確認した瞬間から急に動作が早くなり、忙しく手と足(?)を動かして口に運び始めます。こうなるとエサに夢中で警戒心がほとんどなくなるところが、妙に愉快でかわいらしくて思わず「ふふふ」と笑っちゃいます。ハリが口にしっかりかかった状態で素早く水中から抜き上げるのですが、意外と引きが強い。後ろ向きに「キュッキュッキュッ」と逆噴射するのでなかなかスリルがあって楽しい。ついつい夢中になります。水中ではテナガエビが、地上では人間が夢中になる釣りがテナガエビ釣りなんですね。



じつはこの日、テナガエビの仕掛けに変わった魚がかかりました。ネットで調べてみるとカワアナゴという魚でした。スズキ目ハゼ亜目カワアナゴ科の淡水魚で、河川の下流域から汽水域にかけて生息するらしい。淡水魚に詳しい友人に聞くと、仁淀川河口周辺ではテナガエビとウナギとほぼ同じ場所に生息していて、同じエサを奪い合うライバル同士なんだそう。外見はハゼに似ていますが、全身が黒く頭がやや扁平で背中にかけて帯状に明るい色をしたツートーンカラーのボディです。動画と写真で見ていただきましょう。

早朝5時半に高知市内を出て、仁淀川河口に着いたのが6時過ぎ。ちょうど満潮の時間帯だったので最初は苦戦しましたが、引き潮に変わり水位がぐんぐん下がり始めると、テナガエビがポツポツ釣れるようになりました。途中珍客のカワアナゴが釣れたりして飽きることはなかったのですが、気温がぐんぐん上がり暑くなってきたので3時間ほどで釣りを終えました。早起きとテナガエビ釣りのセット、夏休みのラジオ体操をちょっとさぼらせてお子さん連れでお出かけはいかがでしょう(笑い)。結構親子で夢中になりますよ。
★次回の配信は8月23日(金)予定
「仁淀川支流の清流土居川まで歩いて30秒!?。仁淀川町池川地区「絶景!川のそば旅館」に泊まる」です。
お楽しみに!
(仁淀ブルー通信釣りバカ編集長 黒笹慈幾)
●今回の編集後記はこちら