2019.08.23夏休みの家族サービスにぴったり。 仁淀ブルーの水ぎわ民宿「いち川」に泊まりませんか。

夏休みの家族サービスにぴったり。 仁淀ブルーの水ぎわ民宿「いち川」に泊まりませんか。

 どうです、部屋の窓を開け放つと眼下にいきなり現れる土居川の清流。真夏なのに涼しい川風がさあっと部屋の中に入ってきて、水遊びが大好きな子供たちはすぐにでも駆け出してしまうでしょうし、釣り好きの大人ならばキュウリに似たあの鮎の香りに幸せな気分になっちゃいます。
 仁淀川の一大支流・土居川が町の中心部を流れる池川地区、その市街地のはずれ、川にせり出すように建っているのが民宿「いち川」です。

 民宿の開業は22年前ですが、実は「いち川」の前身は明治33年開業の老舗の料亭。 旧池川町(現在は合併で仁淀川町池川)は 戦前・戦後を通し松山街道の宿場町として、 また林業と鉱業の中継地として人口も多く、仕事で外から訪れる人も数多くいて相当栄えていたようです。その後、国道33号線の開通や鉱山の閉鎖などに伴い池川の町が徐々に寂れていく中で「料亭いち川」は22年前に宿泊ができる民宿に衣替えしたと大女将の市川共江(ともえ)さん。

article192_01.jpg土居川の河原にせり出すように建てられた民宿「いち川」。

 共江さんは現在85歳、お見合いで仁淀川町の森から池川に嫁いで62年になるそう。料亭の3代目を継いでいた夫の光洋(みつひろ)さんは21年前に心筋梗塞で亡くなり、京都のホテルで料理修業していた息子の昌明さんが急きょ呼び戻されて経営を引き継いだのだそうです。
 現在民宿を切り盛りしているのは、マスターと呼ばれている料理自慢の4代目の昌明さん(52歳)と、妹の西森浩子さん(51歳)のふたりです。なぜ昌明さんがマスターと呼ばれるのかというと、旅館の一画で平日だけスナックを営業しているからなんでしょうね、たぶん(笑い)。

article192_02.jpg土居川の河原に降り立った大女将とマスター昌明さん、妹の浩子さん。

 「いち川」の食事は夕食も朝食も素晴らしい。
 写真でご紹介しますが、なかなかの豪華版ですよね。これが民宿の食事? と驚く、元料亭の名に恥じない立派なものです。夕食の膳も朝食も大変においしかったのですが、じつは釣り師として大きなポイント加算になったのが、朝食の時間。
 大女将が「明日の朝ごはん、何時にします? 」と聞くので、「早めに鮎釣りしたいので6時くらいでどうですか? 」と遠慮がちに言うと、「はい、6時ですね」と快諾。朝6時に温かい朝食を出してくれる民宿はお遍路宿くらい、それもたいていは簡素なメニューです。釣り宿を兼ねる民宿はたいてい早い時間のチェックアウトとなると前の晩にオニギリを作っておいてくれるくらいです。それが早朝6時からこんな豪華で温かい朝食が出てくるとは。

article192_03.jpg夕食の膳。カツオのたたき、ウナギ白焼き、イイダコ煮つけ、厚揚げとこんにゃくの煮物、オクラともずくの酢の物、天ぷら(小鮎、エビ、オクラ、ミョウガ、大葉、カニの詰め物、ピーマン、ナス)。

article192_04.jpg朝6時に出された朝食。お味噌汁もサバの干物も、ジャコもイタドリも、辛子明太もグー。メロンも付いてる!

 釣り師にうれしい民宿「いち川」ですが、これは川遊びを楽しむファミリーの宿としても絶対おすすめなんです。それは旅館から歩いて川まで30秒という素晴らしい立地。玄関を出て細い通路を抜け、小さな階段を下りるとそこはもう土居川の河原。一緒に河原で遊んでもいいし、川で遊ぶ子供たちを部屋から見守ることもできます。井伏鱒二の小説に「駅前旅館」というのがありましたが、ここは「川前旅館」と名付けたくなりました。

article192_05.jpg細い路地の奥に「いち川」がある。左手が玄関。

article192_06.jpg玄関前の路地をそのまま進むとすぐ川へ降りる小さな階段がある。

 釣り目的ではなく観光で訪れて池川の町をのんびり散策するのも楽しい。街並み全体が土居川にせり出したように作られている風景も興味深いし、ちょっと寂れた商店街の雰囲気も旅情を感じる(ゴメンナサイ)。

article192_07.jpg池川は松山へ抜ける旧松山街道の宿場町としても栄えた。

article192_08.jpg土居川にせり出した池川地区の家並みは観光名所としても有名。仁淀ブルーの透明度で有名な安居川はこの川の上流に注ぎ込んでいる。

article192_09.jpg居酒屋の水槽に泳いでいるのは鮎ではなくて、ウグイとオイカワ。川魚を食べる文化が池川にはあるらしい。

 土居川を挟んで「いち川」の向かい側にある池川保育園の脇に川へ降りる階段があったので降りてみると、なんとそこは河原の一画を囲い込んだ天然のプール。こんな素敵なプールで泳げる保育園児たちがうらやましい。

article192_10.jpg保育園の脇に小さな鉄製の階段が…。

article192_11.jpg階段を下りると、そこは河原を囲い込んだ天然のプール。

article192_map.jpg

 最後に仁淀ブルーの水の水源のひとつ、土居川の流れを動画でご覧いただきましょう。夏休みもあと10日足らず、民宿「いち川」に泊まって夏休み最後の家族サービスはいかがでしょう。ちなみに仁淀ブルートリップガイドによると民宿「いち川」には菅直人元首相も泊まったらしい。


民宿「いち川」
住所:高知県高岡郡仁淀川町土居甲1031
電話:0889-34-2036
料金:1泊2食 7,500円~(税込)
HP:https://niyodoblue.jp/民宿いち川/

★次回の配信は9月13日(金)予定
「初心者も子供たちも大歓迎、UFOライン利用で手軽に四国の屋根登山」です。
お楽しみに!

(仁淀ブルー通信編集長 黒笹慈幾)
●今回の編集後記はこちら