2018.05.04隈研吾デザインのモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」に泊まってみた

隈研吾デザインのモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」に泊まってみた

 先々号の仁淀ブルー通信で潜入レポートをお届けした越知町の新キャンプ場「スノーピークおち仁淀川キャンプフィールド」。その目玉の一つ、建築家・隈研吾(くま・けんご)氏デザインのモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」(以下「住箱」と表記)のコテージの泊まり心地を体験してきました。

 4月22日「スノーピークおち仁淀川キャンプフィールド」オープン記念式典が行われました。
 このキャンプフィールドには、①クルマで入れる全面芝生張りのフリーサイト②四国で最初のスノーピーク直営ショップという特徴に加えて、③宿泊用コテージ群として、東京オリンピックのメイン会場を設計した建築家・隈研吾氏デザインのモバイルハウス「住箱」という目玉があります。

article133_01.jpg芝生が貼られたフリーサイト。芝生の上に車を停められる夢のキャンプサイト。

article133_02.jpg4月21日のプレオープンにやってきたいちばん乗りキャンパーたちのテント。

article133_03.jpgオープン記念イベントのひとつ、ウッドデッキの上から餅まき。高知のお祝いの席では、この餅まきはお約束ごとです。

 モバイルハウス「住箱」」は、もともと別荘のコテージや庭の隠れ小屋など個人ユースのスモールハウスとして構想されたもののようですが、斬新なデザインに加えて、むき出しの木の質感がとても印象的なこともあって、店舗やキャンプ場などパブリックな施設としてもどんどん用途が広がっているそうです。
 隈研吾さんは「住箱」に込めた思いを「トレーラーハウスを木で作ることで、住まいと自然との関係を取り戻そうと思った」と語っています。
 式典の後、私は「住箱」の泊まり心地をレポートするためにそのまま現場に居残りました。

article133_04.jpgウッドデッキから望む仁淀川の眺め。

隔離された「住箱」専用エリア

 「スノーピークおち仁淀川キャンプフィールド」には、テント用のサイトから少し離れた場所に宿泊棟として「住箱」が10棟並べられた区画が設けてあり、専用のウッドデッキからは眼下にゆっくりと流れる仁淀川が眺められます。この「住箱」専用区画は他のサイトと隔離されているので、のんびりゆっくり孤独を楽しみたい、あるいは隠れ家的に使いたいキャンパーにおすすめです。
 室内は長方形で8畳ほどの広さのワンルーム。一番奥に作り付けのダブルベッドがある以外はローテーブルがひとつと背の低い椅子が2脚、簡素な洗面台があるだけ。トイレ、シャワー、炊事などは管理棟の脇にある共用のものを使います。

article133_05.jpg「住箱」からデッキに張り出したテーブルとガラス張りの四角くて大きい窓。

article133_06.jpg「住箱」のエントランスのかわいいステップ。

 宿泊定員は2名だから、多人数でワイワイやるキャンプには向かないかも。カップルのラブラブキャンプか、シングルでしんみりキャンプかのどちらかユースでしょうか(笑い)。
 特筆すべきは大きい2つの窓。「重箱」の壁に開けられた四角い窓が仁淀川の流れと照葉樹の森を一幅の絵のように切り取って見せてくれます。
 また、夏のテント生活は猛暑との闘いですが「住箱」はエアコン付き。昼も夜も快適なキャンプ生活を保証してくれます。
「住箱」の外には専用のウッドデッキとタープ、大きな外テーブルが張り出していて、仁淀の川風に当たりながら野鳥の声やカジカガエルの鳴き声をBGMにコーヒーやお酒が飲めます。このウッドデッキの居心地の良さも「住箱」の特筆すべき点でしょう。

幻想的な夜明けの風景

 窓の外がほんのり明るくなってきたので、ウッドデッキに出てみました。水面にはほんのり明るくなった空が映りこんでいて、ウッドデッキを照らす照明が「未知との遭遇」に出てきた滑走路のように見えます。そして滑走路に沿って整然と並んだ四角い箱が10個。自然と人工物の組み合わせが作り出した、まったく新しい仁淀川の景観といえるでしょう。
 今年の夏休みはぜひ、「スノーピークおち仁淀川キャンプフィールド」で「住箱」の幻想的な一夜を過ごしてみてください。ちなみに私はこの夏、「住箱」に泊まって仁淀川のアユ釣りに通う予定です。

(仁淀ブルー通信編集長 黒笹慈幾)
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