2017.06.16「仁淀川いきものがたり」最近、カタツムリを見ましたか?
デンデンムシ・マイマイ・デデムシなどいろいろな名前で親しまれているカタツムリ。俳句の世界では夏の季語にもなっている。また、童謡でも子供の人気は高い。しかし、それは昔の話で、最近はちょっと違うようだ。
カタツムリといえばアジサイというイメージがあるが、実際はアジサイの葉を食べている訳ではない。梅雨の時期に動き出すカタツムリと、その頃に咲くアジサイという合わせ技が、イメージを作り出していると私は思う。それと、アジサイが咲いていると花に魅かれて目がいき、そこにたまたまカタツムリがいた、という状況から来ているのだと思う。実際は、薄暗い場所や湿った場所・雨の日や夜によく見つかる。
ところで、みなさん最近カタツムリを見ましたか?
親しまれているわりにおそらく、ちょっと考えちゃうくらい、見てないのではないだろうか?
とくに、都市や郊外では見かけなくなった。数が減ってきているのか? 気にしていないからなのか? 原因はわからないが、身近な生きものが減るのは悲しい。
カタツムリはオス・メスがない雌雄同体で、産卵期を迎えた2匹が交尾してお互いに産卵するという、変わった生きものだ。
大変種類が多く、日本ではナメクジも含めると、約800種いると言われている。ちなみに、ナメクジはカタツムリの殻が退化した種で同じ仲間なのだ。
面白いのは、その分布。移動が困難なカタツムリは地域ごとに名前がついている。ある程度全国に分布するカタツムリは名前が同じだが、同じカタツムリでも、土地によって名前が違うものも多い。
私は、よく地方に行くとカタツムリを探す。カタツムリは土地ごとに名前が違うので、ご当地感覚で楽しめるからだ。
去年の夏、車で仁淀川に遊びに行ったとき、途中の道の駅で、ヤマガマイマイを見つけた。
山間部の木などでよく見つかるヤマガマイマイ。体高が高く線がはっきりとしている。中国地方に分布するサンインマイマイの亜種とされている。 このヤマガマイマイは四国での名前で、海を渡って中国地方に入るとサンインマイマイと名を変える。このカタツムリは関東などでは見かけない。殻の体高が高く線もきれいで可愛い。大好きなカタツムリでもあるのだ。
それは公衆便所の壁で見つけたのだが、ぐるっと一周を舐めるように見て回って探していたので、怪しい人物だと思われ、清掃のおばさんに声をかけられてしまった。
しかし、カタツムリ探しではこの探し方が基本中の基本。公園のトイレや公共の建物でコンクリートの壁は見逃すわけにはいかないのだ。
というのも、カタツムリは、成長に合わせ殻を大きくしていくために、コンクリートのセメントに含まれる石灰石などからカルシウムを摂っているからだ。
つまり、簡単に探すには、湿った場所とコンクリートの壁がポイント!
カタツムリを探すのは意外と大変だが、私の場合、仕事柄車で地方へ出かけることが多いので、パーキングのトイレなどでカタツムリを探す。
カタツムリの食べた後。壁の表面をそぎ取るように苔や石灰質を食べる。口は細かな歯が並び、顔を左右に振るように進みながら食べ進む。 みなさんの住んでいる身近でどんなカタツムリがいるのか、まずは探してみてほしい。
大きさや、殻の形など様々なカタツムリがいるはず。
同じようなカタツムリ、よく見ると全く違うのだがわかるだろうか? 貝の体高が違う。右はヤマガマイマイ左はナミマイマイ。
カタツムリの仲間にはこんな形の貝もいる。キセルガイだ。キセル貝の種類は小さなものが多く、大きくてもせいぜい2cm。写真はクリイロキセルガイモドキ。
この2枚の写真で何が言いたいかわかりますか? よ~く見ると。あれ? 殻口(かくこう)体が出てくる出入り口の形が違う。右はまだ成長中で、左はもう成長しない大人のカタツムリ。殻口が大人になるとこれ以上大きくなりませんと、反り返りをつける。 一言でカタツムリと言っても色々違いがあるでしょう?
興味が出てきたら、今度は飼育に挑戦だ。
カタツムリはカッターナイフの刃の上も、針の山も歩けるというものすごい能力の持ち主。冬には殻に幕を貼って冬眠し、3年から5年生きると言われている。できれば同じ種類のカタツムリを2匹で交尾や産卵の様子も見てもらいたい。
実験1
飼育しているナミマイマイで実験をしてみた。自然界で見つけたカタツムリの殻が修正したような跡があったのをヒントに、殻に大きく穴を開け修正するかを観察した。
穴を開けてから4日目。徐々に膜を作り修正した。この跡、時間をかけて色が自然とついた。穴の補修は、口から何か液体のようなものを出しながら、内側から直していた。実験2
カタツムリは食べたものの色の分解ができない。だから、食べたものと同じ色のフンをする。それを調べるために、色紙を食べさせてみた。(紙はパルプでできているのでカタツムリが食べても問題ありません。)
パステル調の淡い緑色の紙を食べさせてみた。当たり前なのだがすごい。同じ色のフンをした。いったい紙のどの部分を栄養としたのだろうか?
あまりにも綺麗だったので図に乗って色々な色で試してみた。全く同じ色のフンをする。これを見て新しい実験を思いついた。ひと塊りのフンで3色に挑戦してみたくなった。皆さんも試してみてください。奥山英治(日本野生生物研究所)
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