2017.02.1080年の歴史のなかで寛ぐ。越知町・谷脇旅館へ
現代にはめずらしくまだまだ活気が残る越知町の商店街。その一画にひときわ存在感のある建物があります。手入れされた緑園に囲まれた日本家屋の宿。大正初期に創業した「谷脇旅館」です。好奇心おう盛な私は気になります…一体、中はどうなっているの?と。そこで今回は旅館の中を探訪させていただきました。いつもより品よく行きますわよ。
というわけでやって来ました、谷脇旅館さんです。歴史ある佇まいは、まるで時が止まっているかのようですが、お宿そのものは昔も今もたくさんのお客さんに親しまれており、出張や合宿などで利用されることが多いそうです。
昔のままの造りを守りながら営業を続けているため、随所にレトロ感を楽しむことができます。その一部をご覧いただきましょう。
さて、今回探訪させていただくお部屋はもっとも奥にある「菊の間」。そこはなんと!なんと!昭和35年に遊説で越知町を訪れていた吉田茂元首相が宿泊したお部屋なんです!一体どんなお部屋なのか…襟を正して探訪したいと思います!
ついにたどり着いた菊の間! そこに広がっていたのは、堂々たる風格を感じさせる空間。しかし、窓から差し込む暖かな陽だまりによってなんとも寛げる、穏やかな居心地に包まれていました。
女将さんは「吉田茂さんがご宿泊された時のままの造りが残っています。とは言っても、壊れてしまった部分もいくつかあるのですが・・・」と話されていましたが、欄間(らんま)や組子(くみこ)細工、襖(ふすま)は、80年近く使い続けているものもあるそうで、むしろそんなにも長い年月使い続けられてこの状態が保てていることに驚きです!
今も現役の旅館として呼吸をし続けている谷脇旅館さん。女将さんは、「大きい建物ですしお客さんもいらっしゃいますから、大かがりな改装などはできなかったんですよ」と控えめにお話されていましたが、守り続けていくにも相当の努力と愛情が必要だったと思います。この旅館が醸し出す深い深い味わいは、そうした思いが積み重なって生まれているのかもしれませんね。仁淀川流域にお越しの際は、ぜひ谷脇旅館でレトロな時間をご堪能ください!
(仁淀ブルー通信編集部 高橋さよ)
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(問い合わせ)
谷脇旅館
高知県高岡郡越知町越知甲1612
電話 0889・26・0008
宿泊料 一泊二食付き7,500円 ※2017年2月現在の料金です