2017.02.1080年の歴史のなかで寛ぐ。越知町・谷脇旅館へ

80年の歴史のなかで寛ぐ。越知町・谷脇旅館へ

現代にはめずらしくまだまだ活気が残る越知町の商店街。その一画にひときわ存在感のある建物があります。手入れされた緑園に囲まれた日本家屋の宿。大正初期に創業した「谷脇旅館」です。好奇心おう盛な私は気になります…一体、中はどうなっているの?と。そこで今回は旅館の中を探訪させていただきました。いつもより品よく行きますわよ。

article_06902.jpg玄関前に立った時点でタイムスリップした気分です。
article_06903.jpgフロントなどはありません。声をかけると奥から女将さんが現れます。

というわけでやって来ました、谷脇旅館さんです。歴史ある佇まいは、まるで時が止まっているかのようですが、お宿そのものは昔も今もたくさんのお客さんに親しまれており、出張や合宿などで利用されることが多いそうです。
昔のままの造りを守りながら営業を続けているため、随所にレトロ感を楽しむことができます。その一部をご覧いただきましょう。

article_06904.jpgていねいに修復された跡がある床板。味わいを感じずにはいられません。
article_06905.jpgお部屋へ向かう途中にあったタイル張りの洗面所。レトロです!
article_06906.jpgお部屋ごとの電気スイッチ。ピシッと美しい並びに惚れ惚れ。
article_06907.jpg廊下の途中にある鏡には「サクラビール」の文字が。

さて、今回探訪させていただくお部屋はもっとも奥にある「菊の間」。そこはなんと!なんと!昭和35年に遊説で越知町を訪れていた吉田茂元首相が宿泊したお部屋なんです!一体どんなお部屋なのか…襟を正して探訪したいと思います!

article_06908.jpg昔ながらの造りの階段を上り、菊の間へ向かいます。
article_06909.jpg階段を上ると、立派な松の木と庭園が目の前に現れました。
article_06910.jpg赤い絨毯が敷かれた廊下の先に・・・
article_06911.jpg美しい「菊」の文字!!
article_06912.jpgこれが吉田茂元首相も泊まった「菊の間」です!!!

ついにたどり着いた菊の間! そこに広がっていたのは、堂々たる風格を感じさせる空間。しかし、窓から差し込む暖かな陽だまりによってなんとも寛げる、穏やかな居心地に包まれていました。

article_06913.jpg繊細さと豪快さが織り成す見事な襖絵。創業時から残っています。
article_06914.jpg窓の光によって美しさを増す組子細工も見事!

女将さんは「吉田茂さんがご宿泊された時のままの造りが残っています。とは言っても、壊れてしまった部分もいくつかあるのですが・・・」と話されていましたが、欄間(らんま)や組子(くみこ)細工、襖(ふすま)は、80年近く使い続けているものもあるそうで、むしろそんなにも長い年月使い続けられてこの状態が保てていることに驚きです!

article_06915.jpg陽だまりを生む窓。その向こうには美しい庭を眺めることもできます。
article_06916.jpgお庭にも下りてみました。緑だけでなく季節ごとのお花も楽しめるそう。
article_06917.jpg間もなく梅が開花するそうです。たくさんの蕾が膨らんでいました。

今も現役の旅館として呼吸をし続けている谷脇旅館さん。女将さんは、「大きい建物ですしお客さんもいらっしゃいますから、大かがりな改装などはできなかったんですよ」と控えめにお話されていましたが、守り続けていくにも相当の努力と愛情が必要だったと思います。この旅館が醸し出す深い深い味わいは、そうした思いが積み重なって生まれているのかもしれませんね。仁淀川流域にお越しの際は、ぜひ谷脇旅館でレトロな時間をご堪能ください!

(仁淀ブルー通信編集部 高橋さよ)
●今回の編集後記はこちら 

(問い合わせ)
谷脇旅館
高知県高岡郡越知町越知甲1612
電話 0889・26・0008
宿泊料 一泊二食付き7,500円 ※2017年2月現在の料金です