2016.02.12仁淀川水系に、日本唯一の釣りができる クリスタルリバーを発見! 来たる春、ここで釣りデビューはいかがでしょうか

仁淀川水系に、日本唯一の釣りができる クリスタルリバーを発見! 来たる春、ここで釣りデビューはいかがでしょうか

『新春釣りバカ対談・サツキマスと冬のアマゴ釣りが仁淀川をより輝かせる(1月14日配信)』で話題にのぼった仁淀川の支流・上八川川と小川川。ここは、自然の川としては冬季のアマゴ釣りが許可されている日本唯一の流れです。山並みが雪で飾られた2月7日、その『アマゴ冬季釣り場』を立ち上げた人たちに誘われて、アマゴの成魚放流に参加してきました。

 上八川川と小川川が出あう河原に集まったのは、仁淀川漁業協同組合(以下仁淀川漁協)の首脳陣と、自然豊かな川を愛する釣り人の有志「リバーキーパーの会」の面々。きりりと冷えてさえ渡った光の中、この日の流れは素晴らしい透明度。まるでジンのような流れに、体長24cm前後に育った当歳魚のアマゴ約400匹が放たれました。今シーズンこの流域にはすでにアマゴ4200匹が、そして仁淀川本流にも1300匹が放流されたそうです。

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 水温7℃ぐらいの「キリリ」と冷えた仁淀ブルーで、アマゴらは自由になった

 3年間の試験期間をへて、アマゴ冬季釣り場は今年で6年目。釣り方はルアー(擬餌餌)、テンカラ(毛鉤)、フライ(西洋式毛鉤)のみで、キャッチ&リリース方式となっています。その評判を聞きつけて、「はるばる東北の秋田県からもフライマン(西洋式毛鉤釣り愛好家)が来るんですよ」と仁淀川漁協の総代の勝賀瀬正人さん。

「アマゴという魚種はその何パーセントかが海に下り、サツキマスとなって川に戻ってくる性質を持っているのですが、昔は仁淀川でも年間9トンほどのサツキマスの漁獲量がありました。その後、一時は絶滅かと思われていたところ、アマゴ冬季釣り場の開設後、年々その数が増えています。ここでのアマゴの放流が、かつて山の渓流と海を行き来した仁淀川のアマゴの本来の姿を復活させたとのだと思います」

 熱心なフライマンでもある勝賀瀬さんに、フライフィッシングの魅力を伺いました。

「一言では表せませんが、水面で釣れるのがまずいいですね。水生昆虫を模したフライを水面に浮かせて、それにアマゴが飛びついてきます。喰うところが見えるんですよ。だから面白い。それから、その川で今どんな虫が羽化しているか、飛んでいるかを観察して、その虫を模倣した毛バリの大きさや色、形を決めてキャスト(投入れる)する。そんな、あの手この手のだましあいが面白い」

 釣り竿と釣り糸を鞭のように振って、軽い毛バリをアマゴの近くに静かに自然に落とすなど、フライフィッシングは難しそうな釣り方。けれどもこの川のアマゴは養殖魚なので、天然のアマゴより警戒心が薄く、比較的容易に釣れるそうです。しかも、さすが南国高知県の川、ここでは冬でも虫が多いのでフライフィッシングに問題ないとのこと。

article021_img05このような、様々な形や色の毛鉤を駆使してアマゴを狙う

「初心者や子供ならルアーフィッシングがいいですね。フライより簡単な釣り方です。そのときは、アマゴをあまり傷つけないように、ルアーの針をシングルフックに交換して(通常は碇型の3本鉤がついている)、鉤の返しをペンチでつぶしてください」

 この、アマゴを愛する人々のパラダイスが生まれたのは、釣り人の熱意と漁協の協力からだといいます。

「発端はリバーキーパーの人たちから。一般的には禁漁期間である冬にアマゴ釣りできる川があれば、という話をされましてね。アマゴはとりかかり易い釣りで、しかもとても楽しい、人気のない冬の川に賑わいをもたらしてくれる、と言われまして」と振り返るのは仁淀川漁協の組合長である細川治雄さん。「山が好き、川が好きでね。私に用事があったら川へ行けといわれたもんです」というほど少年時代からたたき上げの釣りバカであります。

「地元の理解を得られるよう漁協でシンポジウムを開いたり、フライマンたちがボランティアであれやこれやしてくれたりして、このアマゴ冬季釣り場は年を重ねています」

 そのはじまりは、2006年。「冬季の河川利用の可能性を検証するため、高知県からアマゴの特別採捕許可を受けたことから」と、前々回の仁淀ブルー通信でも登場してもらった松浦秀俊さん。

「そして協力してくれる釣り人を募り、協力金を払ってもらい、その協力金をアマゴの放流費用にあて、釣り人がキャッチ&リリース方式で釣獲調査を3年間行いました。その結果、釣り場の管理や運営、流域住民との共存などについて見通しがたったので、平成21年から正式に認可されたのです」

article021_img06トラックに積んだ生け簀からアマゴをバケツに移し替え、川まで運ぶ
article021_img07とても冷え込んだ日曜日でしたが、仁淀川漁協とリバーキーパーの会が集まってくれました
article021_img08仁淀川漁協の細川治雄さん(右)と勝賀瀬正人さん(左)
article021_img09上八川川と小川川に放流されたアマゴは、たくましく成長して釣り人を楽しませる(写真提供:勝賀瀬正人)

 さて、上八川川と小川川のアマゴ冬季釣り場は2月末までですが、翌3月1日からは仁淀川水系全体でのアマゴ釣りが解禁になります。

「解禁日には、この上八川川と小川川が合流する河原は、釣り人で一杯になります(笑)」と細川さん。冬の間に何度も成魚放流しているし、キャッチ&リリースだったということで、魚体が大きくて魚影が濃いようです。

「かといって、解禁日から数日間でこの川のアマゴが全部釣りあげられるわけではないですからね、そのあとでもアマゴはけっこう残っています。5月ぐらいまでは楽しめます」

 一般的にアマゴ釣りといえば渓流釣りというジャンルになり、そこには登山の要素もあるので少々ハードルが高い釣りになります。しかし、上八川川と小川川が流れているのは穏やかな里で、川に近づくのが容易で河原も広い。家族連れでものんびりと釣りを楽しめる環境だと松浦さんはいいます。

「3月1日以降のこの川でのアマゴ釣りは敷居が低い。極端な話、延べ竿と糸と鉤と餌があればいい。餌は川底の石についている川虫でいい。手軽な釣りです。しかも釣れたときの引きがシャープで、興奮します。釣りあげた魚の姿も綺麗だし、持って帰って食べても美味しい。仁淀川水系の釣り入門にうってつけです」

 この春、釣り竿を手に、仁淀ブルーの上八川川と小川川へ。仁淀川水系をもっと好きになれそうです。

article021_img10.jpgこれが上八川川の仁淀ブルーだ!信じられない透明度でしょう。

(仁淀ブルー通信編集部 大村嘉正)
●今回の編集後記はこちら

◆アマゴ冬季釣り場の管理人・吉市祐一さんのHP
http://hodonodani.sakura.ne.jp/
◆2015-2016年 アマゴ冬季釣り場
期間/2015年10月1日~2016年2月末
釣り方法/フライ・テンカラ・ルアー(キャッチ&リリース方式)
遊漁料/シーズン券3,000円、1日券1,000円
区間/仁淀川水系の上八川川の一部と小川川の一部。
※詳細は仁淀川漁業協同組合HP 
http://www.niyodogawa.or.jp/new/detail.php?hdnKey=426へ。
◆2016年 仁淀水系のアマゴ釣り
期間/3月1日午前5時~9月30日午後5時
遊漁料/1年券5,000円(アマゴ釣りのみ)、1日券2,000円
※詳細は仁淀川漁協HP  
http://www.niyodogawa.or.jp/へ。