2015.12.02仁淀川ブルー観光の仕掛け人。じつはステキな女性なんです <城西館コンシェルジュ 近澤真弓さんに聞く>

仁淀川ブルー観光の仕掛け人。じつはステキな女性なんです <城西館コンシェルジュ 近澤真弓さんに聞く>

 11月中旬の雨の土曜日、待ち合わせ場所である日高村の「レストラン高知」の駐車場に現れた近澤真弓さん、白のコットンパンツにボーダー柄の生成りのカットソー、その上からブルーの半袖プルオーバージャケット、足元は長靴という軽快ないでたちです。ジャケットのわき腹のところに「joseikan」と縫い取りがしてあって、首からは重そうな一眼レフカメラがぶら下がっています。

 これから地元の方の案内で佐川町内に2か所ある「バイカオウレン(梅花黄蓮)」の自生地に向かうところ。バイカオウレンは3月から5月にかけてヒノキなどの林床や渓谷に群生して、真っ白い小さな花を咲かせるキンボウゲ科の希少な植物.。山野草の愛好家にとっては垂涎の山野草なのですが、近澤さんは来年、佐川町で「バイカオウレンの自生地を訪ねるツアー」を企画していて、今日はその下見というわけなのです。

 近澤さんの名刺には「城西館コンシェルジュ」という肩書きが書かれている。城西館というのは高知市中心部の上町2丁目、坂本竜馬の生誕地そばに建つ観光ホテルで、近澤さんはそのホテルの従業員です。「コンシェルジュ」とはフランス語起源の言葉で、一般的にはホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に応える「総合世話係」を意味しますが、近澤さんの場合は少し違います。城西館が主宰するさまざまな「高知観光ツアー」の開発から実施までのすべての業務をたったひとりで担当するスーパーウーマンなんです。

article017_img01佐川町内にある山野草バイカオウレンの自生地の下見に来た近澤真弓さん。

 ちなみに昨年度、近澤さんの作ったツアーへの参加者はのべ3500人から4000人というから小さなツアー会社顔負けの動員力。参加できるのは城西館の宿泊客だけではなく一般もOKというところもステキです。仁淀川に関わるツアーで昨年大ヒットした「奇跡の清流 仁淀ブルーでSUP(サップ)を楽しむ体験ツアー」も近澤さんの仕掛け。SUPというのは(スタンドアップ・パドル・サーフィン)の略で、大きなサーフボードのような形をした乗り物に立ち乗りし、パドルで漕ぎながら川面を自由に移動する新しい水遊びのスタイルです。そんな新しいスポーツをいきなりツアーにしてヒットさせちゃう直感力に脱帽です。

article017_img03近澤さんが開発したツアー満載のパンフレット

 仁淀ブルーを体感する人気の観光メニューにはいままで「屋形船」や「カヌー」「ラフティング」などがありましたが、メニューとして新たにSUPが加わったというわけです。
仁淀川観光に果たす近澤さんの貢献度はこの事実だけでも明らかですね。
ご本人に「仁淀ブルー通信を通じて何か伝えたいメッセージありますか?」
と聞いてみた。すると少しモジモジしながら
「うーん、城西館の社長にもうひとり人員を増やして欲しいと伝えて欲しい」
だって。社長さん、よろしくお願いいたします(笑い)。
 ということで、仁淀川観光のキーパーソンとして、これからも近澤さんには獅子奮迅の活躍を期待したい。仁淀ブルー通信も応援していますよ。

(仁淀ブルー通信編集長 黒笹慈幾)
●今回の編集後記はこちら

◆城西館のツアー案内サイト
http://www.tosakoi.jp/tour/S12/

article017_img02バイカオウレン。直径1cmほどの芹のような葉が5枚、林床に密生して生える。
article017_img04小雨の降るヒノキ林の急斜面を登る。この自生地は私有地でまだ公開されていない。