2022.01.14仁淀川ぐるめぐり 第3回「どこまでも自家製にこだわる札所近くの絶品レストラン」

仁淀川ぐるめぐり 第3回「どこまでも自家製にこだわる札所近くの絶品レストラン」

 私事で恐縮ですが、昨年末はどこからも誰からも忘年会に誘われませんでした。言い表せない哀しみを携えて、ひとり海辺へ・・・宇佐湾を眺めながら、飲んでやる! 食べてやる!  そう、「どれを食べてもおいしい」と評判のレストランで!!

 というわけでやって来たのは、土佐市にある天然温泉宿「三陽荘」。第36番札所・青龍寺にほど近いことから遍路宿としてその名を耳にすることも多いのですが、ほかにも、すぐ目の前が海水浴場だったり、冷泉が多い高知ではめずらしい40度以上の源泉を誇る温泉があったり、無料で楽しめる絶景の足湯があったりと幅広い魅力をもったスポットとなっています。

article266_01.jpg 堂々たる庭園と黄金色の湯が特徴の弘法の湯露天風呂。日帰り入浴もOK。

article266_02.jpg すぐ目の前に広がる竜の浜を眺めながら足湯も楽しめます。

 そんな三陽荘の魅力をさらに高めているのが、2021年6月にリニューアルしたばかりのレストラン「トッサ竜テラス」です。

 「アクセスが良い場所ではないからこそ、ここでしか味わえないものを提供していこう」と元のメニューをブラッシュアップし、「個人のお客さまも気軽に利用できるように」とそれまで大きなテーブルしかなかった店内を一新!
 わら焼きの炎が見えるライブ感満載のオープンキッチンや、海を眺められるテラス席を設けるなど、目でも楽しめるレストランとなりました。

article266_03.jpg 少人数でも気軽に利用できます。一人客の私にも親切丁寧に接してくれた店員さんに感謝感謝。

article266_04.jpg テラス席では波音をBGMにして食事を楽しむことができます。

 まずは一杯!
 ビールにワイン、高知の地酒、SNS映えしそうなオリジナルジュースなど多彩なラインアップのなかから、私の目に飛び込んできたのは「自家製ガリハイボール」!
 辛みも香りもひときわ豊かな高知県産の黄金生姜をつかった自家製ガリ(生姜の甘酢漬け)を「これでもか!」というぐらいのせたオリジナルのハイボールです。

article266_05.jpg 予想以上にガリが入っています。黄金生姜の香りにそそられます。

article266_06.jpg 飲んでよし!つまんでよし! 一石二鳥の一杯です。

 一口飲んで出た言葉は、「くぅ〜〜! キクぅ〜!」でございます。
 黄金生姜の濃厚な香り、そして、程よい辛みと酸味がハイボールの炭酸とともに弾けてスカッと広がります。これはかなりクセになる味わい! ハイボールだけお代わりできる「追いハイ」なるメニューがあるのも納得です。
 うまい一杯に合わせたいのは、こちらの一品! カツオの内臓の塩蔵・酒盗(しゅとう)です。

article266_07.jpg お酒好きにはたまらない一品です。

 なんとこちらも自家製というから驚き。厳選したカツオの内臓を手間ひまかけて熟成させており、塩気はまろやかかつ上品に、食感はコリコリ心地よく、うま味はぎゅっと凝縮! お酒がどんどん進んでいく絶妙な味わいとなっています。

 早くも期待以上のおいしさを味わうことができ、気分も上々です! どんどん注文していきましょう!

article266_08.jpg 地元産のちりめんじゃこがふんだんにのった「土佐ちりめんサラダ わさびドレッシング」。

article266_09.jpg まぜても、ちりめんじゃこがびっしり! サラダを超えた食べ応えを感じます。

article266_10.jpg 人気の「tossaの燻製盛り合わせ」。しっとりとした口当たりに感動。燻製の芳醇な香りにうっとりです。

article266_11.jpg スライスニンニクを加えたすり身を揚げ、香り豊かなカレー粉で味付けした「土佐のニンニク天 カレー風味」。一個でビールが何口も進みます。

 どれもこれも、うまい!
 予定よりも食べ過ぎてしまっていますが、もう一品、食べておかねばならない料理があるのです。それが、同店自慢の鮮魚のわら焼きです。
 近くの須崎港で水揚げされた日戻りカツオとウツボ、そして、地元・宇佐港で水揚げされたカンパチの3種がラインアップ。今回は、一人でも2種のわら焼きが楽しめる「カツオとカンパチわら焼き2種盛り」を注文しました。

article266_12.jpg 注文してから焼いてくれるのも魅力。薬味も多彩にたっぷりのっているのが嬉しいです。

 キリッと角の立ったカンパチに、もっちり吸い付くような食感のカツオ。わら焼きの香りが上品に広がる、これぞ高知のわら焼きです!
 そして、さらに注目すべきは味わいを添える塩やタレ。塩は粒の大きな天日干し塩(もちろん高知産)、ポン酢は上品な酸味におさえた自家製。そして、カンパチに添えていただく緑色のタレは、高知名物・葉ニンニクの「ぬた」でこちらも自家製です。風味豊かな脇役たちが主役をさらに引き立て、満足度の高い一皿に仕上げています。

article266_13.jpg ぬたをたっぷりつけていただくカンパチのたたき。日本酒ください!

article266_14.jpg 高知の方は断面を見ればわかりますよね。めっちゃおいしいカツオです。

 心もお腹も大満足・・・もうこれ以上食べれません!  というところまで来ましたが、うっかり忘れておりました。別腹を。

article266_15.jpg たびたび新作が登場するスイーツメニュー。こちらは「手作りドーナツと自家製ベリーホイップ」です。

 なんとスイーツまで自家製のオンパレード。
 こちらは手作りの揚げたてドーナツに、自家製アイスクリームとクリームをトッピング。食べる直前に濃厚なベリーソースをかけていただきます。
 表面はサクッ、中はふわっとした温かいドーナツと冷たいアイスクリームの、甘くとろけるハーモニーがたまりません。

 いやー、本腹も別腹も大満足!  おいしい料理だけでなく、細かなところまで手を抜かずに仕事をする料理人と出会えた喜びをしっかりと噛み締めたひとときでした。
 三陽荘のトッサ竜テラス、最高です!


【店舗情報】
三陽荘

住所:高知県土佐市宇佐町竜504-1
電話:0120-15-4592
カーナビ用ダイヤル:088-856-0001

レストラン「トッサ竜テラス」
営業時間:11:00~15:30(フードL.O.14:30)
     17:00~21:30(フードL.O.20:30・ドリンクL.O.21:00)
定休日:無休
●詳細は公式ホームページをご覧ください

(仁淀ブルー通信編集部員/高橋さよ)

★次回の配信は1月28日予定。
「田舎で創作活動をするとはーー里山に家具作家を訪ねて」 をお届けします。
お楽しみに!

●今回の編集後記はこちら