2021.12.03仁淀川ぐるめぐり 第2回「男前店主が焼き上げる、海なし町の至高の麦わら焼きカツオタタキ!」
海に面していないし漁師町でもない「佐川町」に絶品のカツオのたたきがあるのをご存知ですか? しかも、高知では焼く際に稲わらを使うことが多いのですが、それは「麦わら」で焼くことにこだわった逸品です!
というわけでやって来たのは、佐川町にある「宮地鮮魚店」です。昭和28年に創業し、親子三代にわたっておいしい鮮魚にこだわっている職人気質のお店で、佐川町内はもちろん、周辺の町からもお客さんが通う人気店となっています。
「もともと魚を食べることが好きで、ついでに言うと釣りも好き。その自分がおいしいと思うものしかお客さんには出したくないんです」
そう話すのは、仕入れから調理まで一手に担う三代目・宮地茂幸さん。
甘いマスクとは裏腹に魚のこととなるとかなり頑固なこだわりを見せる生粋の職人さんです。
普段は気さくに会話ができますが、魚と向き合っている瞬間はちょっと声をかけづらいほどの緊張感が走ります。
宮地鮮魚店で刺身やタタキなどの鮮魚の販売がスタートするのは、16時すぎからです。
というのも、使う魚は冷凍ではなく「生」のものしか使わず、毎日比較的近くの漁師町である中土佐町久礼や須崎市に通ってその日販売する分の魚を仕入れて店へ運び、そこから捌いていくので、提供までの時間を要するのです。
ちなみに、鮮魚が提供されるまでは手作りの惣菜を販売しています。こちらもめちゃくちゃおいしいのでおすすめです。
さて、今回のメインディッシュは「カツオのタタキ」です! しかも、ただのわら焼きではなく「麦わら100%」で焼くのが宮地鮮魚店のこだわり!
高知の主流である稲わらは炎が立ち上がるまでに数秒間くすぶる時間があるのに対して、「麦わら」はストローのような構造で酸素を多く含んでいるため、一瞬にして大きな炎が立ち上がります。
するとカツオに余計な熱が伝わらず、身の鮮度を守りながら表面だけを香ばしく焼くことができるというのです。
それはコンマ数秒単位の話ではありますが、鮮度の良いカツオを仕入れている宮地さんだからこそ追求した、まさに至高の焼き方なのです。
焼き上げた後は余分の熱が残らないように氷でしっかりと冷やしますが、このとき、氷の上にシートを敷き、身と氷が直接触れ合わないようにするのも宮地さんの細やかなこだわり。こうすることで身が水っぽくなるのを防ぐのです。
鮮度と焼きへのこだわりは切ったときに分かります。火の通った層は薄く仕上がり、生の赤身の部分は透明感のある美しい色に……もはや食さずとも、視覚からおいしさを実感できます。
食べれば、それはそれは天国です。
麦わらの煙にはほんのり甘い香りがあるため、口に運ぶとうっとりするような芳香が広がり、赤身はモッチリと吸い付くような食感で、噛めば澱みのないカツオのうま味がじんわり……数々のカツオのたたきを食べてきた生粋の高知県民(私)も唸るおいしさです!!
その日に良いカツオがなければ店頭に並ばないこともありますが、それも宮地さんに並々ならぬこだわりがある証し。
「焼き方も大事やけど、やっぱり素材が一番大事です。良い魚を扱えること、そして、その魚をお客さんに食べてもらえることが自分にとっての幸せなんです」
そう語る宮地さん。海のない町が誇る絶品のカツオのタタキをぜひ一度ご賞味あれ!
【店舗情報】
宮地鮮魚店
住所:高知県高岡郡佐川町甲1249-22
電話:0889-22-0654
営業時間:11:00~19:00(刺身やタタキが並ぶのは16時以降)
定休日:日曜祝日
●全国発送はこちらから宮地鮮魚店楽天ショップ
●佐川町ふるさと納税の返礼品としてもラインナップしています
(仁淀ブルー通信編集部員/高橋さよ)
★次回の配信は12月17日予定。
「仁淀川つれづれリモートワーク日記」2(おやつ編) をお届けします。
お楽しみに!
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