2021.11.19本場フィンランド並みの熱→冷→熱を仁淀川水系で! 冬の川辺でパックラフト&サウナ

サウナから出てきてそのまま湖へ飛び込む――サウナの本場フィンランドでよく見かける場面ですが、仁淀川水系でも同様の体験が始まりました。
しかも飛び込み先は仁淀ブルー! 冬に最高の川遊びを満喫してきました。
仁淀川水系の某所。空の青と雲の白を映す川面を漕いで行くと、彼方の河原にテントが見えてきました。褪せた緑色、サーカス小屋を極めて小さくした形、煙突付き。その光景は、まるで小説『ムーミン』の挿絵のようです。

となりでパックラフトを漕ぐ『ヒロさん』こと神澤識大(かんざわのりひろ)さんが、「ちょっとわくわくするような場所でしょ」と、少し自慢げな表情になりました。周囲は見上げるような山と、それを覆う雑木林ばかり。
そして我々は、大自然のなか忽然と現れたテントサウナにたどり着いたのでした。
川を熟知した男によるサウナ&仁淀ブルー
『たぐいまれな清流+サウナ』という体験を提供しているのは、ヒロさんが代表を務める『仁淀アドベンチャー』。中津渓谷でのキャニオニングや、パックラフトでの急流下りなど、仁淀川でとびきりの自然体験をガイドしてくれる川遊びのプロです(2020.08.28記事もご覧ください)。

このテントサウナの定員は4人ぐらい。熱源は薪ストーブで、燃料は仁淀川流域の杉など。薪ストーブの上にはチンチンに熱くなったストーンがあり、これに水をかければ、素敵な香りと熱い蒸気が充満していきます。おお、これぞロウリュ(フィンランドに伝わるサウナ入浴法の一つ)!

「ストーンにかける水は仁淀川水系から汲んだもので、これに仁淀川町で作られたヒノキエッセンシャルオイルを数滴垂らしています。また、ストーンは安居渓谷(やすいけいこく・仁淀ブルースポットとしては一番有名な仁淀川支流安居川の源流部)の石。割れにくく、石焼きバーベキューにも使えるほどです」。
岩石に詳しいですねと聞くと、「かじった程度で」とヒロさん。
「キャニオニングガイドとして、ゲストの安全ために岩の特徴はおさえておかないと」。

ヒロさんのように幅広く川に詳しい人がサポートするサウナは珍しい。彼はキャニオニングや急流下りのベテランであると同時に、数えきれないほど急流を泳いできた(泳ぐはめになった)『ほぼ河童』です。サウナで火照った体をクールダウンしたいけれど、川に入ったり泳いだりするのは不安、という人でも、川の経験豊かな彼がいるなら安心です。

サウナが苦手の人も、フィンランド人のように楽しめる
一般的なサウナといえば、やや険しい顔で熱波に耐えるイメージですが、仁淀アドベンチャーのテントサウナは『我慢』とは無縁。熱すぎたらテント生地をめくって外気を入れればいいし、激熱を望むならストーンに水をかければいい。温度調整はお好みで。サウナは苦手かも、という人でも、気持ちよく汗をかけます。

そして、汗まみれの熱い体で仁淀ブルーへ――といきたいところですが、冬の川に飛び込むのはちょっとした冒険。しかし、サウナの本場・フィンランドでは当たり前のこと。全国民約540万人が同時に入るに足るサウナがあるフィンランドでは、『サウナ→冷たい湖に飛び込み→サウナ』というのは無意識レベルの行動らしい。
そんな彼らでも、仁淀アドベンチャーのテントサウナには一目置くはず。これほど透明な川に飛び込めるサウナ、フィンランドでもあまりないのです。

仁淀アドベンチャーのテントサウナは5月の連休ぐらいまでを予定。しかし、仁淀ブルーで『ととのう』なら、やはり真冬がベストシーズンです。
取材したこの日の気温は11℃、水温はそれよりやや低いぐらいでしょう。テントサウナのロウリュで熱波を浴びれば、いきなり川に飛び込んでも、体温が冷たさを押し返しました。11月なのに川で泳ぐ自分を、面白がる余裕もありました。
『もっと熱く、やばいくらい冷たく』を仁淀ブルーで堪能できるシーズンは、これからなのです。

■仁淀アドベンチャーのテントサウナ
今回取材したのは、『パックラフト・テントサウナツアー』。パックラフトやパドルはもちろん、パックラフトを漕ぐときのウエアも用意してくれます。ゲストが持参するのは、水着とタオルと濡れてもいい履物など。
また、テントサウナだけを楽しみたい人には、『テントサウナレンタル』もあります。仁淀アドベンチャーがテントサウナを設置して薪ストーブに点火、ゲストにサウナの使い方を説明してくれます。
詳細は、仁淀アドベンチャーのホームページの「テントサウナ」をご覧ください。
(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)
★次回の配信は12月3日予定。
「イケメン店主が焼き上げる、海なし町の至高の麦わら焼きカツオタタキ!」をお届けします。
お楽しみに!
●今回の編集後記はこちら