2020.09.25堀見和道佐川町長が仁淀川でアユの友釣りに初挑戦!

堀見和道佐川町長が仁淀川でアユの友釣りに初挑戦!

仁淀川の流域には上流から順に仁淀川町、いの町、越知町、佐川町、日高村、土佐市の6市町村が連なっています。つまり6つの市や町や村の人々が同じ仁淀ブルーの水の恩恵を受けて暮らしているというわけです。そのちょうど真ん中あたりに位置する佐川町は町の中心部を仁淀川の支流・柳瀬川が貫いています。牧野富太郎の生地でもある佐川は、植物と歴史ある街並みで全国に知られている町ですが、アウトドアが大好きな町長さんがいることはまだあまり知られていません。今回はその堀見和道町長がアユの友釣りを初体験するというので密着取材してきました。はてさて、アウトドア町長の友釣り偏差値はどのくらいたっだんでしょう。

 仁淀川中流域の町・佐川町の堀見和道町長(写真中央)は現在52歳、自治体のトップには珍しい筋金入りのアウトドア人間です。現在2代目になるキャンピングカーを自ら運転、多忙な公務の合間を縫って休日には奥さまと二人で県内各地の観光スポットを視察(笑い)する傍ら、折り畳み式のフォールディングカヤックで仁淀川を漕ぎまくり、龍馬マラソンを完走し、自転車レースの「仁淀ブルーライド」にも参戦と、まるで遠い昔私が編集長をしていたアウトドア雑誌「ビーパル」から抜け出たような元気なアウトドアおやじ(失礼!)であります。

article229_01.jpg 堀見町長の愛車のキャンピングカー。これは2代目。

 民間企業の出身ながら2013年に町長選に立候補、初当選して現在2期目をつとめています。自らの出身地・佐川だけでなく他の仁淀川流域5市町村の観光による地域振興にも強い関心を示し、流域の観光情報を扱うメールマガジン「仁淀ブルー通信」の力強い応援団も務めてくれています。

article229_02.jpgアウトドアではたいていこんな麦わら帽子姿。

 その堀見町長が「釣りバカ黒ちゃんがいつも楽しそうにFB(フェイスブック)で発信しているアユの友釣りなるものを一度やってみたい」と言い出したのです。
 仁淀川流域の自然体験観光メニューの柱として「釣りはぜったい外せないでしょ」と大声で言い続けてきた釣りバカ編集長・黒笹として、これは千載一遇のチャンス到来。
 二つ返事で個人レッスンを引き受けたのは私ではなくて(笑い)私のアユ釣りの師匠であり、先回のリバーサイドキッチンにもご登場いただいた佐川町の元地域おこし協力隊員の西脇康之・亜紀さんご夫妻。
 冬は自伐型林業家、夏はアユの職漁師を生業にしている夫妻は年間2500尾以上の釣りアユを大都市圏に出荷すると同時に、初心者向けに鮎の友釣り体験教室もプロデュースしている鮎釣りのプロフェショナルです。その様子は昨年7月26日配信の仁淀ブルー通信「女流アユ釣り師に訊く、友釣りって難しいですか?」でレポートしたので覚えている読者もいるはずです。
 今回の友釣り授業の場所は前回のリバーサイドキッチンの撮影地から500mほど下流の土居川。「茶畑プリン」で大ブレイクしているカフェ「池川茶園」のちょうど前あたりです。

article229_03.jpg教室は後方に池川の街並みがみえる場所。

 西脇さんの懇切丁寧、手取り足取りのレクチャーを受けてから堀見さん、いよいよ目指すポイントにオトリを送り込みます。最初のうちは8メートルを超える長いアユ竿の操作に苦労していましたが、日ごろのアウトドア・アクティビティで鍛えた基礎体力のおかげか、徐々にスムーズな扱いになってきました。


 そこへいきなり大きなアタリ、「ガンガン」と穂先が激しく叩かれます。待望の野アユが掛かったようです。一瞬何が起きたのかわからなかった堀見さんですが、西脇さんの「来た!来ましたよ!」という大声に我に返りました。
 長い竿が満月のようにしなり、仕掛けの先ではハリ掛した野生のアユがオトリアユの後方で水面をたたいて大暴れしています。どうしていいかわからない堀見さんの背後で、教師役の西脇さんがあれこれ指示を出し、ようやく足元まで寄ってきたアユを西脇さんが自身の玉網に収めてやれやれ、一件落着。ふたり揃って「やったね」のドヤ顔になっています。堀見町長、初めての友釣り成功です。52歳とは思えない少年のようなの笑顔が仁淀ブルーの水に映えてキラキラしています。


 堀見さん、前の晩は興奮してよく眠れず、変な夢を見たんだそう。
 夢の中で釣れたアユを手元に寄せてみると、なんと! 塩焼きの立派なアユだったんだとか。これって、釣るよりも食べたい潜在願望が強かったのかもしれませんね(笑い)。
 昼ごはんを食べ終えた堀見さん、いきなり水中眼鏡をつけて、今まで自分が釣っていたポイントにズカズカと入っていきます。そして腹ばいになって水中を覗いて「あっ、いまデカいやつが大石の下に潜ったぞ! やっぱりここにいたのか!」と歓声を上げています。じつは堀見さんのお母さんの出身地がこの池川で、小さいころはよくこの川で遊んでいたらしい。なるほど「川ガキ」ぶりが堂に入っているわけです。


 川ガキに戻った午後の堀見さんは絶好調、次々に野アユが掛かります。一緒に釣っている友釣り歴30年の私が友釣り歴1日の初心者に負けるわけにはいかない。必死に頑張ってなんとか追い抜かれずに授業終了のチャイム。堀見さん11、私18で何とか逃げ切り、滑り込みセーフ! でした。
 それにしても東京大学工学部建築学科卒の堀見さんの学習能力恐るべし、友釣り偏差値は70以上と勝手に判定いたしました。東大で友釣りの授業はないはずなんだけどなあ(笑い)。


 最後にこの日の夜に堀見町長がアップしたFB(フェイスブック)の投稿を本人の許可を得てご紹介しましょう。正夢になった立派なアユの塩焼きが並んでいます(笑い)。

article229_04.jpg堀見町長の当夜のFB。ちょっと興奮してますかね(笑い)。

(友釣り歴30年の仁淀ブルー通信編集長 黒笹慈幾 )

★次回の配信は10月9日予定。
「牧野富太郎の見た風景(第3回)」をお届けします。
お楽しみに!

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