2019.10.25仁淀川流域の魅力を深掘り、B面サイクリングで行こう!
秋晴れの一日、ロードバイク(スポーツ自転車)で風を切るのはまっこと爽快! けれども仁淀川流域では、仲間とおしゃべりしながらの、ゆったりなサイクリングも似合います。観光ガイドでは紹介されない、まさに「B面」なサイクリングルートを走ってみました。
もはや死語になってしまった「B面」。音楽といえばレコードの時代、A面には売り出し中のメジャー曲が、裏のB面には、ときに通好みの名曲が入っていたものです。
というわけで、仁淀川流域で一般的じゃないけれど、魅力的な自転車旅ができる道を、「仁淀ブルーB面サイクリングルート」と勝手に名づけてしまいました。
このB面サイクリングルート、いの町~日高村~越知町では、仁淀川の南側の道がそれにあたります。このうち、県道299号、300号については日高村の無料マップ「仁淀川サイクリング」でも紹介されていますので、今回はそれよりも上流にある道(道路地図帳には名称なし)をサイクリングしてみました。結論からいうと、「子供たちと一緒に」とか「散歩気分でのんびりいこうぜ」な気分のときにお勧めです。
スタートは「水辺の駅あいの里仁淀川」。ここから国道194号を少し上流へ走り、柳瀬橋を渡って対岸へ。
すぐに小さな神社が現れたので石段を登ってみました。B面サイクリングでは気分のおもむくまま、途中下車の旅であります。
そして発見したのは、暴れる仁淀川の記憶。こんなところまで水位が上がったとは驚きです。
細い道ですが、交通量はわずか。ゆっくり行けばかなり安全です。まるで森林浴サイクリングだ。柑橘や生姜の畑など、この地域らしい風景にもたくさん出合いました。
そしてちょっと不思議な景観も。これ、収穫した生姜の貯蔵所だったそうです。ドアがついていると、まるで地底人の家?
さらに自転車を漕ぐと、片岡沈下橋よりも上流方面へは「この先通行できません」という看板が。しかしあえて前進です。
というのも、国土地理院の地形図によれば、この舗装道路の終点の「梼ノ瀬」集落から浅尾トンネル(鎌井田大橋の西端)まで徒歩道が記載されているのです。
通り抜けるのは傾斜の急な山肌。なんだかおもしろそうだったのですが、やはりというか、梼ノ瀬集落のはずれで道は消失。
後日チェックしたところ、浅尾トンネル側のほうは徒歩道が荒れていながらも残っていたので、途中までマウンテンバイクで走ってみました。ところどころに農地の跡があったり、生姜貯蔵用の洞穴があったりと、かつては生活道だったのでしょう。こういう「移動とは歩くこと」の時代の道、なんだかぐっときます。
さて、行き止まりの梼ノ瀬集落からUターンして戻り、片岡沈下橋を渡って対岸の県道18号を上流へ。
この県道18号は、「ぐるっと高知サイクリングロード(高知県推奨サイクリングコース)」でも「奇跡の清流仁淀ブルーコース」として推奨されていますが、片岡集落から上流は道幅が狭く、自動車の通行も意外とある区間。くれぐれもご注意を。
スノーピークおち仁淀川キャンプフィールドを過ぎ、鎌井田大橋をわたり、浅尾トンネルの手前で右折、再びB面ルートへ。浅尾集落をぬけ、浅尾沈下橋を渡ってゴールにしました。
今回のサイクリングですが、スノーピークおち仁淀川キャンプフィールドで宿泊し、そこを拠点に楽しむのもいいでしょう。往路または復路で、「A面」の県道18号や国道194号を走るのもいいですが、歩道がない箇所では自動車が怖いかもしれません。往復「B面」でも、行きと帰りでは見える景色が変わって面白いですよ。
★次回の配信は11月1日予定。
次回はアンコールシリーズ。2016.09.23配信の”ゲストハウス縁(en)に泊まって、のんびり昼寝したい!”と、「その後の近況」をお届けします。
お楽しみに!
(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)
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