2018.12.28仁淀川河口のハゼ釣り

仁淀川河口のハゼ釣り

今年も1年間仁淀ブルー通信をご愛読ありがとうございました。2018年の掉尾(とうび)を飾る話題は、仁淀川が土佐ブルーの海と出会う河口のハゼ釣りです。

 仁淀ブルーの清冽な水が流れる仁淀川は、釣りを一生の趣味に定めた(笑い)釣りバカな私の大切な遊び場です。春は支流の上八川(かみやかわ)川でアマゴのフライ・フィッシング(西洋式毛ばり釣り)を、夏は越知町内の中流域でアユの友釣りを、春と秋は下流域、いの町のワンド(河川敷にできた池のような入り江)でヘラブナ釣りをめいっぱい楽しませてもらっています。「じゃあ、冬は何を?」と聞かれると、「うっ」っと言葉に詰まるんですね。実際、冬の釣りはほとんどやったことがない。冬は海の釣りで忙しいという別の事情はあるんですが(笑)。

article167_01.jpg仁淀川河口大橋。

 そこで仁淀ブルー通信の取材を口実に、いままで触ってこなかった冬の仁淀川河口の釣りにチャレンジしてみようと思い立ったわけであります。さて、なんの釣りにしようか?いろいろ考えた末、仁淀ブルー通信の愛読者が気軽に、それもファミリーで楽しめるハゼ釣りにしようと決めました。

北西の季節風にひらひら舞う仁淀川河口のハゼ。

 ハゼは秋から冬にかけて海に近い汽水域の川の浅場で釣れる。私は高知市内九反田あたりの鏡川河畔で半日で50匹近く釣ったことがある。 実は、いの町のワンドのヘラブナ釣りで出会った釣り師が「仁淀川河口にもハゼはいますよ。私もときどき釣ってます」と教えてくれていた。ただ、浅場でのハゼ釣りの適期は10月から11月だから少し遅い。シーズンは終わっている可能性がある。浅場にいたハゼは寒くなると水温の安定した深場に移ると言われているのだ。

article167_02.jpg波介(はげ)川と仁淀川の合流点に西から流れ込む新堀川の水門。

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 初めて入る仁淀川河口の、どのあたりがポイントなのかは正直わかりません。多少ギャンブルになるけれど、とにかく現地に行っていそうなポイントを探すしかない。水温の安定していそうな右岸(海に向かって)波介(はげ)川の合流点の足場のいい場所に狙いを定めて水際に降りた。全面コンクリート張りの護岸で足場はよい。右手には新堀川の水門が迫るが、正面に仁淀川河口大橋が横たわり、その向こうに青い海が広がる絶景ポイントです。

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 満潮に近い時間だったので、水深は2メートルくらい。エサはスナムシとアオイソメの2種類を用意、ともにゴカイの仲間でハゼの大好物で、投げ釣りと竿釣りの2通りの釣法で探ることにしました。投げ釣りは竿掛けを立てて置き竿に、竿釣りはウキ釣りと、ウキを使わず竿先へのアタリで合わせる脈釣りの2通りで攻めます。

スナムシ(細いほう)とアオイソメ。
高知市竹島町の今井釣具(TEL0888-31-7904)で各300円で購入。

article167_05.jpg食いがいいときは短めに、悪いときは長めにつける。
article167_06.jpg投げ釣りには、釣り針や仕掛けが底にかかりにくいジェット天秤を使った。

 釣り始めて30分くらいすると川上方向からモーレツな風が吹き始めた。北西の冷たい季節風です。快晴で気温はそこそこあるが体感温度がかなり低い。小春日和ののんびり釣りをイメージしてきたのだが、かなり無理があったかも(トホホ)。

強い風で水面が波立ち、ウキの動きが見えにくい最悪のコンディション。

 「ハゼの顔を見るまでは帰れないぞ」と気合を入れてがんばること30分、ついに脈釣り(ウキを使わない釣り方のこと)の竿にアタリが。すかさず竿をあおると軽い手ごたえとともに小さな魚が上がってきました。「ハゼだ!」、と確認した瞬間、強風にあおられてハリが外れ、ぽちゃんと水中に。しかし、ハゼがいることはわかったのであとは時間のモンダイです。その後1時間ほどがんばって竿釣りで1尾、投げ釣り(リールとおもりを使って仕掛けを遠投する方法)で1尾の計2尾を釣り上げた。もっと釣りたかったのですが冷たい北風がどんどん強くなり、釣りどころではなくなったところで釣りを切り上げました。

article167_07.jpg釣れたのはこの2尾。ともに12~13cmサイズ。

 お腹は空いたし、カラダも冷えたので、釣りのあとは県道23号線沿いに作られた土佐市の観光交流施設「南風(まぜ)」2階にあるカフェ「Niil Mare(ニールマーレ)」で遅いランチとコーヒーをいただくことにしました。ガラス張りの店内から仁淀川の河口と土佐の青い海が望めるこのカフェは私のお気に入りの場所。平日というのに店内は老若の女性客でけっこう埋まっています。私は「BBQソースのハンバーグロコモコ」とホットコーヒーのセット(1050円)で冷えたカラダと胃袋を慰め、仁淀川河口のハゼ釣り初体験を終えたのであります。

article167_08.jpgニールマーレの「BBQソースのハンバーグロコモコ」とホットコーヒー。

(仁淀ブルー通信編集長 黒笹慈幾)
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