2017.08.11仁淀川の夏、川面の風になる夏
真夏の太陽、それは都会では酷なものですが、仁淀川に来れば味方にすることができます。
その手段は……やっぱ、全身で清流を感じられるアクティビティー、カヌー&ラフティングでしょう!
清流――それは、陸から眺めるだけでも心癒されるものですが、川面をすいすいと進み、泳ぎ、潜り、川と一つになってこそ、その魅力のすべてを味わったと言えるでしょう。
ああしかし、たとえそこに美しい流れがあっても、
「夏でも水温が冷たくて泳ぐのはつらい」
「流れが速すぎて危険」
「岩や障害物だらけで、非常に危険」
など、カッパ(高知県では猿猴=エンコウとかシバテンと呼びますが)でもなければ楽しめない清流は意外に多いのです。
しかし高知県内の仁淀川では違いますよ~。夏で天気が良ければずっと泳げる心地よい水温、そして穏やかな川の表情。もし「川遊び版ミシュラン」なるものがあれば三ツ星獲得間違いなしであります。
なので、とにかく仁淀川に来て泳いで潜れば、それはそれで楽しい夏に。でも、よりハイレベルな1日を求めるなら、カヌーやラフティングのツアーに参加するのがおすすめです。そのわけは……
・仁淀川を熟知したリバーガイドが案内してくれるので、何の心配もなく大自然のアドベンチャーに挑戦できる。流域の自然や文化についても学ぶことができます。
・川で泳いだ経験がない、川で泳ぐなんて想像したこともない人には特におすすめ。リバーガイドが「川での作法」をしっかりとレクチャーしてくれます。
・グルメや宿など、仁淀川流域の穴場情報もリバーガイドからゲットできます。
「じゃあ、実際はどんな感じなの?」という皆さまのために、仁淀ブルー通信では越知町観光協会の「カヌーツアー」と「ソフトラフティングツアー」の密着取材を決行。その様子をご覧ください。
カヌーツアー
参加したのは「Aカヌーコース」という半日ツアー。青潰(アオヅエ)キャンプ場から宮の前公園までの約4kmを下っていきます。
小難しいこと抜きに笑顔になれるカヌーツアーですが、川を下ることで心に芽生えてくるものはなかなか奥深い。それを3つほど挙げるとすれば……
・「今、私は自由~!」という感覚になれる。川という限られた空間、そして進む方向は下流と決まっているにも関わらず、不思議なことに自由を感じられるのです。
・いざ急流に入れば頼れるのは自分自身だけ、だから難所をクリアしたときの喜びもひとしお。おもわず「私って、けっこうやるじゃん」というポジティブな思考になり、それが日常生活に戻ってもしばらく続きます。
・川の流れが、「単純に上流から下流へではない」ことに気づきます。途中で淀んだり渦巻いたり逆流したりと、いろんな寄り道をしながら海を目指すのであります。それが自然の姿、そして人間だって自然の産物。だからカヌーで川を下れば、「人生だってときには立ち止まり、逆戻りしてもいいのだ」というおおらかな気持ちになれるかも。
◆越知観光協会 カヌーツアー
時間:午前の部/9:00~ 午後の部/13:30~ (所要時間約3時間)
料金:大人(中学生以上)5,500円(税込)、子供(3歳~小学生)4,500円(税込)
さらに詳しいことは、越知町観光協会へ。
ソフトラフティングツアー
カヌーとは違い、みんなで力を合わせてパドルを漕ぎ、冒険を共有するのがラフティング。たとえ見ず知らずの相手同士でも仲良くなれることが魅力の一つです。
仁淀川でのラフティングですが、一般的にイメージされる「激流下り」ではなく、そこそこの急流を3つほど挟みながら、川面からの景色を堪能したり、泳いだりしてのんびりと仁淀川を下っていきます。名付けて「ソフトラフティングツアー」。そのため3歳から参加できるなど、幅広い年齢層や体力の人が楽しめる内容になっています。
ラフティングの場合、一艇につき必ず一人はリバーガイドがつきます。なので、仁淀川の自然についての解説や、川での振る舞い方などのアドバイスをたくさん聞くことができます。この日のリバーガイドは岡林哲司さん。毎年8月下旬に開催される「仁淀川国際水切り大会」の第8回大会(2011年)男性の部優勝者でもあります。
◆越知観光協会 ソフトラフティングツアー
時間:午前の部/9:00~ 午後の部/13:30~ (所要時間約3時間)
料金:大人(中学生以上)5,000円(税込)、子供(3歳~小学生)4,000円(税込)
さらに詳しいことは、越知町観光協会へ。
さて、越知町観光協会のカヌーツアー、ソフトラフティングツアーですが、お盆期間中の予約はかなり埋まっているようです。でも、川の中の季節は1ヶ月ほど進みが遅いので、お盆明けはもちろん、9月や10月になってもツアーを楽しめます。この川を20回以上下った私から言わせてもらえれば、秋の仁淀川は最高です。水は澄んでいき、空は青く高い。川遊びは夏だけなんて、実にもったいないのであります。
(仁淀ブルー通信編集部員 大村嘉正)
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