2016.12.1611月末まで毛ばり釣りが楽しめる渓流釣り場

11月末まで毛ばり釣りが楽しめる渓流釣り場

11月末まで毛ばりのアマゴ釣りが楽しめる管理釣り場が吉野川源流にあります。その名は「中野川倶楽部」。仁淀ブルーに負けない清冽な水が流れる中野川渓谷を下見してきました。

今回はいかにも南国高知らしい渓流の管理釣り場をご紹介しましょう。
「3月1日解禁、10月1日から禁漁」がアマゴやイワナを釣る場合の自然渓流や湖(ダムを含む)における一般的なルール(各県の漁業規則でそう決められている)です。しかし自然の渓流や湖を管理しエリアを区切って例外的に漁業規則の枠外で営業することも認められていて、それが「管理釣り場」(別途入漁料が必要)です。
今回紹介する「中野川倶楽部」は吾川郡いの町にある管理釣り場。石鎚連峰から発する水を集める吉野川の最源流の支流・中野川全域を区切って2月16日から11月30日まで釣りを楽しめる。釣り場の上流に人家はほとんどなく、自然のままの美しい流れが確保されています。

article_06102.jpg倶楽部ハウスの玄関。川に入る前にここで受付を済ませる。

しかし、一般の管理釣り場とはちがう厳しいルールで運営されていて、それがここの釣り場の魅力にもなっています。そのルールとは・・・

article_06103.jpg中野川倶楽部の基本ルール。(パンフレットより)

1.毛ばり釣り専用
2.キャッチ・アンド・リリース厳守
3.成魚放流なし
4.釣り方は「釣り上がり」のみ
5.1日15名までの事前予約制

どうです? かなりハードルが高そうですね。

1.の「毛ばり釣り」は西洋式のFF(フライフィッシング)と和式のテンカラ釣りの2種類だけ。代表的な疑似餌(ぎじえ)釣りのひとつであるルアー釣りも禁止。2.「キャッチ・アンド・リリース」というのは釣りの業界用語で「釣ってもいいけど、魚体を傷つけずにすぐ放流」というルール。3.「成魚放流なし」は養魚場で育った成魚は入れておらず稚魚放流だけ、ということです。
ルールの1.2.は「純粋に釣ることだけを楽しむ釣り師だけに来てほしい」、3.4.5.は「美しい魚体のアマゴだけを、他の釣り師にじゃまされずゆっくり釣ってほしい」という支配人の斎藤光輝さんのいちばん大切な「こだわり」の部分です。


「ここは川魚とフライフィッシャーのための専用区です」
「晴れた日には、中野川を一望できる爽快なデッキで、寒い日には体を暖める薪ストーブの前で、コーヒーやウイスキーを片手に、ゆったりとしたひとときをお愉しみください」小さなパンフレットに書かれてある、こんな言葉から斎藤さんのその思いが伝わってきます。

article_06104.jpgパンフレットの表紙。
article_06105.jpg中野川のポイントマップ。(パンフレットより)

遠く東京や大阪からはるばる中野川倶楽部に通ってくる熱心なファンもいるそうです。じつは私も東京に住んでいるときに、釣り仲間から「高知の奥のほうにいいFF(フライフィッシング)の管理釣り場がある」とは聞いていました。しかし、高知へ移住した後もなかなか訪ねる機会がなかったのですが、今回、仁淀ブルー通信の取材を兼ねて漁期最終日の11月30日にようやく中野川の渓谷に足を踏み入れることができました。

article_06106.jpg毛ばり釣り師にはよだれの出るようなポイント多数。

クラブハウスの脇から急斜面を川に降り、1時間、200mほど川沿いに遡りましたが、紅葉の中の圧倒的な渓谷美と、毛ばり釣りのポイントの豊富さに驚かされました。当日は曇天で水温は10度とかなり下がっていましたが、足元から良い型の魚が何匹も走るのが見え、「これは、シーズン中は相当楽しい釣りになりそう」という手応えを感じました。
斎藤支配人によるとオープン当初の2月16日から11月末まで、ドライフライ(水面に浮かせるタイプの毛ばり)での釣りが可能だそう。さすが温暖な南国高知の渓流といえますね。それでも水温が低下したり、釣り師にいじめられたりすると魚はなかなか水面まで出てきてくれませんから、常時ドライフライで遊べる川なんて、毛ばり釣り師にとって夢のようなことなのです。

article_06107.jpgこの時期、水辺にも紅葉が降りてきている。
article_06108.jpg水温を計ると10度。

しかし「普通の管理釣り場だと思って、短い長靴や軽装備で来られる方がいますが、自然の渓流そのままなので厳しい渡渉や遡行を強いられる危険な箇所もたくさんあります。十分な渓流釣りの装備できてください」と斎藤さんは釘を刺す。初心者は毛ばり釣りのベテランと一緒に行った方がよさそうです。えっ、私ですか? 私はひとりでも大丈夫。いちおうFFのベテラン釣り師なので。ただ、頭に「バカ」が付きますが(笑い)。

(仁淀ブルー釣りバカ編集長 黒笹慈幾)
●今回の編集後記はこちら 

◆中野川倶楽部 
〒781-2616高知県吾川郡いの町中野川9-1 • 088-869-2002
http://nakanokawa.com/

article_06109.jpgクラブハウスのすぐそばにこんなお店もある。

◆手打ちそば時屋
https://tabelog.com/kochi/A3901/A390103/39003162/


◆近隣の宿泊施設「木の香温泉」
https://konokaonsen.wordpress.com/