2016.10.21VIVA★新芋! 今こそ食べたいお芋のお菓子
まるまる太ったムラサキ色の甘いヤツ…食べても食べても飽きないおいしさ。ついに来たのね、お芋の季節が! ということで、今回は流域で見つけたお芋のお菓子をご紹介。ホクホクほっこりあま〜い幸せをご堪能ください!
日高村【芋けんぴの名店で出会った格別な逸品】
最初に訪れたのは、「高知で芋菓子といえばここ!」という人も多い【芋屋金次郎】。
高知市内をはじめ、愛媛、香川、東京にも店舗がありますが、本店があるのは日高村。というのも、店名の由来にもなっている創業者・澁谷金次郎さんのご出身地が日高村なんです。日高村の方と話をしていると「金次郎さんはアイデアに富んだ、素晴らしい人やった」と、そのお人柄を耳にする機会も少なくありません。
そんな金次郎さんのお膝元で味わえるのは、金次郎イズムを継承した「芋」にこだわるお菓子です。
まず外せないのが、日本一の生産量を誇る「芋けんぴ」。昔ながらの味から黒糖、塩、細切り…と多彩にラインナップしていますが、直営店でしか味わえない逸品が「揚げたて芋けんぴ」です。
「揚げてから12時間以内のものだけ」という特別な芋けんぴ。袋を手に持つとほんのり温かさが伝わってきます。木製クリップを外して封を開けると…なんということでしょう! けんぴが! 芋が! キラキラと輝いているではありませんか!!
その姿と同様においしさも輝いています。まだ少しやわらかい砂糖蜜とカリッと香ばしいお芋が生み出す、絶妙な食感のハーモニー。菜種油と米油をブレンドした油で揚げているのでクセがなく、お芋の香りもしっかり感じられます。また、添加物や合成甘味料を使わない砂糖だけの甘さは後口に残らず、「もう一本、もう一本・・・」がエンドレスに続くのです。
あぁ、幸せ。時間が経って砂糖蜜とお芋がなじんだ芋けんぴはひと味違ったおいしさです。食べ比べてみても楽しいですよ!
そして、同店では芋けんぴの他にパティシエが作った洋菓子も多数販売されています。いちごのショートケーキも、モンブランも、チーズケーキも、すべてのケーキにお芋が使われているという個性派ですが、どれも本当においしいと評判です。特に人気が高いのが「皮付きスイートポテト」。
本物のお芋の皮を器のようにして作ったスイートポテトなので、お芋によってサイズが異なり、グラム数によってお値段が決まるというユニークさも人気の理由です。工房で作りたてのものが並ぶので、しっとりホクホクとした食感と豊かな香りが楽しめますよ。
また、もう一つおすすめが、お隣・佐川町にある吉本牛乳の地乳とムラサキ芋を使ったいも屋のソフトクリーム。
爽やかな地乳のミルク感とムラサキ芋とさらりとした甘さは相性抜群。冬でも食べたくなるおいしさです。
芋けんぴから洋菓子、ソフトクリームまでお芋づくしの同店。昭和27年からお芋一筋に歩んできただけあって、その”芋愛”はダテじゃありません!
芋屋金次郎 日高本店
高知県高岡郡日高村本郷573-1
電話 0889-24-7476
営業時間 10:00〜19:00
定休日なし(年末年始休業あり)
駐車場あり
いの町【人気急上昇中! 新食感のけずり芋とは?】
続いて訪れたのはいの町。仁淀川橋から歩いて約10分のところにある【利休】が考案した新感覚の芋菓子が、今注目を集めているんです!
その芋菓子の名は「けずり芋」。お芋が好きな同店の國澤英誠さんが「高知のお芋のおいしさを感じられるお菓子を作ろう」と試行錯誤の末に考案しました。使うのは地元いの町で育ったサツマイモ。それを幅5ミリほど、薄さ2ミリほどに削ります。
削ったお芋はデンプン質が出なくなるまで水洗いし、油で揚げていきます。最初は高温で揚げ、次は低温でパリッとさせる二度揚げが心地よい食感の秘訣。仕上げの味付けは、お芋本来の甘さを感じてもらえるように優しい甘さの甜菜糖をまぶします。
材料はお芋と油と砂糖と芋けんぴとほぼ同じですが、その味わいや食感は別物! 噛むと軽い力でパリパリホロホロと崩れていく、なんともクセになる食感です。お芋の風味と揚げた香ばしさが鼻腔にまで広がるなかで、甜菜糖の粒が溶けてゆっくり甘みを増していきます。
パリパリ、パリパリパリ、パリパリパリパリ・・・あぁ、もう止められません。どうしてくれるんですか國澤さん。作ってくださりありがとうございます…
味は甜菜糖、シナモン、生姜の3種類。3種類がセットになった箱入りや、お得な袋入りもあります。パッケージには仁淀川の風景が描かれていてお土産にもおすすめですよ。
利休
高知県吾川郡いの町波川331-1
電話 088-892-0124
https://rikyu.kochi.jp
販売/上記製造元の他、いの町「道の駅くらうど」「道の駅木の香」「かんぽの宿伊野」、土佐市「南風」などでも取り扱いあり
いの町【お母さんの優しさが溢れるほっこりパイ】
続いてもいの町からお届けしましょう。「道の駅633美の里」にある【森の小さなお菓子屋さん】。こちらでは地元のご婦人たちが手作りのお菓子を販売しています。そのおいしさは折り紙付きで、燻し銀の某有名俳優さんもお気に入りなんだとか。
こちらにオープン当初から登場し、人気ナンバーワンをキープし続けているのが、コロッと丸くてかわいいパイです。味は2種類。一つはカボチャで、もう一つがサツマイモ。どちらも地元産のものを使っています。
地元産の小麦粉も使ったこだわりのパイ生地は、バターの匂いと香ばしさがふんわり漂うリッチな味わい。そこに、サツマイモと大納言小豆を合わせた”あん”のほっこりとした甘みが重なります。心にまで浸透してくるような優しいおいしさは、ご婦人方が一生懸命作っているから生み出せるのでしょう。まるでお母さん手作りのおやつを食べている子どもになった気分です。
お芋のお菓子ではありませんが「ソフトサンド」もおすすめ。ふっかふかの生地でソフトクリームをサンドした冷たいスイーツです。ドライブ途中のリフレッシュにおひとついかがでしょう?
森の小さなお菓子屋さん
高知県吾川郡いの町上八川甲1160-2 道の駅633美の里内
電話 088-867-2332
営業時間 9:00〜17:00
定休日なし(年末年始休業あり)
駐車場あり
仁淀川町【この町で芋といえば「白イモ」なんです】
最後は仁淀川町にやって来ました!
サツマイモといえば皮がムラサキ色をしたものを思い浮かべますが、ここ仁淀川町では皮が白い「白イモ」がスタンダードなんです。
元々はコガネセンガンという品種だったようですが、代々種イモを残して育てていくうちにこの地域独自の芋になっていったという研究報告もあるそうです。ただ、地元じゃ当たり前すぎてスポットライトを浴びる機会がありませんでした。そんな白イモを使ってお菓子を作り、仁淀川町を盛り上げていこうと奮闘しているのが【によど自然素材等活用研究会】の井上光夫さんです。
白イモの味わいをダイレクトに味わってもらおうと誕生したのが、こちらの「白イモチップス」。スライスした白イモを素揚げしただけの潔い逸品です!
口に入れると最初は香ばしさがグーンと広がります。歯ごたえのある食感を楽しむように何度も噛んでいると、白イモからジワジワ、ジワジワと甘みが増してきました! なんだこの芋は! お砂糖など何も使っていない素揚げチップスですが、そうとは思えないほど深い味わいが楽しめます。あっという間に一袋完食してしまいました。
そして、もう一品。白イモを使った井上さんおすすめのお菓子がゴツゴツとした姿が印象的な「石垣饅頭」です。
サイコロ状に切った白イモを砂糖、小麦粉、米粉を合わせた生地で一つにして蒸しあげたお饅頭。仁淀川町で見かける石垣の風景を彷彿とさせます。こちらも砂糖の甘さは控えめで白イモの甘さと華やかな香りが楽しめます。もちもち・ほくほくとした食感も絶妙です。仁淀川町が長い時間をかけて育てた不思議な白イモ、ぜひ一度ご賞味ください!
によど自然素材等活用研究会(によど屋)
電話 0889-34-6065
http://www.2410riv.jp
販売/白イモチップスは仁淀川町「いけがわ439交流館」「ドライブイン引地橋」「ゆの森」で取り扱いあり
石垣饅頭は仁淀川町「いけがわ439交流館」で週一回販売
高知市日曜市(ひろめ市場前)にも出店しています
・・・というわけで、巡り巡って食べまくったお芋のお菓子。一口に「お芋」と言っても、いろいろな食べ方、いろいろなおいしさがあるんですね。みなさんはどのお菓子が気になりましたか?今はちょうど新芋が出回っている時季。一年で一番おいしい時を食べ逃さぬよう、今すぐ仁淀川流域へお越しくださイモ〜!
(仁淀ブルー通信編集部 高橋さよ)
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