2016.09.30チュルチュル行こう! 仁淀川流域ラーメンカタログ
食欲のままに生きていられる季節、秋がやってきました! この溢れんばかりの食欲を大満足させられる料理といえば、老若男女みんな大好きな「ラーメン」ですよね。そこで今回は仁淀川流域市町村で出会った、ちょっと個性派のおいしいラーメンをご紹介します。
いの町【あの食材がフレンチの技でラーメンに!?】
愛媛県にほど近い本川エリア。ここにわざわざ足を伸ばしてでも食べたい絶品ラーメンがあるんです! やって来たのは「道の駅 木の香」。
その名の通り、木の香りに包まれたレストラン。こちらでは本川エリアの特産品であるアメゴや、季節の山菜、野菜を使ったジャンルにとらわれないメニューが展開されています。その中で10年以上前に誕生し、常に人気上位をキープしているのがラーメン。しかし、ただのラーメンではありません…。本川特産の【キジ】を使った、フレンチ仕込みのラーメンなんです!
「キジを使っている」というだけでも珍しいのに、さらにフレンチ仕込み!? と想像をかきたてるラーメン。実は、こちらのレストランで腕を振るう中島逹志料理長はフレンチ一筋に歩んでこられたシェフなんです。長年培ったフレンチの技を駆使して、自然豊かな環境で育てられたキジの魅力を最大限に引き出し、極ウマの一杯を作り上げているのです。
まず目を奪われるのは盛り付けの美しさ。イタドリやタケノコなど地元で採れた山菜をはじめ、「本川イモ」という小さなジャガイモやプチトマト、キジのモモ肉で作ったつみれ団子ものっています(本川イモは季節によって他の具に代わることがあります)。
「ネギなど香りの強い具は、あえて使っていません」と中島シェフ。その理由はスープのおいしさを味わってもらいたいから。そして、そのスープにこそフレンチの技が光ります!
スープとして使われているのは、キジのガラや香味野菜を長時間かけて煮込んだ「ブイヨン」。キジはもともと淡白な味ですが、他の食肉にはないうま味と香りを持っています。そのうま味と香りを存分に感じてもらえるようにと手間暇かけているわけです。
おぉ…! 雑味を一切感じない、澄んだ味わいのスープ! まろやかで深みがあるうま味と、芳醇な香りが口いっぱいに広がっていきます。確かに他のどの食肉にもない香りで、これはクセになります。最近、高知県知事もこちらのラーメンを食べて絶賛し、おかわりしたとか! キジ肉と聞いてどこかワイルドな味をイメージしていましたが真逆。上品であっさりとしたおいしさなので、女性やご年輩の方にもおすすめしたい一杯です。
目の前には仁淀川に負けず劣らずな清流・吉野川が流れており、景色も抜群です。ワインが進むジビエメニューなどもありますよ。何度も訪れたくなるお店です!
道の駅 木の香
高知県吾川郡いの町桑瀬225-16
電話 088-869-2300
営業時間 11:00〜19:30
定休日 火曜
駐車場あり
土佐市【裏通りの製麺所で味わう母の味】
続いてやってきたのは土佐市宇佐。すぐそばに土佐湾が広がるこの町で、働くお父さんのお昼ごはんとして、育ち盛りの子どもたちのおやつとして親しまれているのが「千崎製麺」のラーメンです。
こちらは先代から引き継いだ製麺所を営んでおり、製麺機の奥にはラーメンやうどんを食べるカウンターがひっそり広がっています。
もちろん麺はこちらで作られたもの。スープはいわゆるインスタントです。注文するとお母さんが鍋に火をかけ、ささっと作ってくれます。なんか実家に帰った気持ちになりますね。
具は海の町らしく、スマキと魚のすり身を揚げた天ぷらです。ぷりっとちょうど良い食感に湯がかれた麺。子どもの頃に食べたことがあるような、懐かしい味わいのスープにホッと癒やされます。
私も、30歳過ぎてなお育ち盛りなもんですからおかわりしようかなと考えていたら、隣に座って食べていた常連らしき男性が「太めんの味噌もうまいよ」と教えてくださいました。人生の先輩に勧められたら断る理由なんてないよね!
うん、うん! なるほど!!
味噌、ナイスです。 具のすり身の天ぷらとめちゃくちゃ合います。チャーシューにも匹敵するくらい、″味″があります。午後に向けて気合いを入れたいお昼には味噌が良いですね。
ここで食べられるラーメンは麺もスープも同じものが買えて、自分で作ることもできるわけですが、なーんかおいしい。それはきっとお母さんが作ってくれるからだと思います。誰かに作ってもらったら、それだけでおいしい。それだけで幸せ。そんなことに気づかせてくれる一杯です。
千崎製麺
高知県土佐市宇佐829-4
電話 088-856-2909
営業時間 10:00〜18:00
定休日 水曜
駐車場あり
佐川町【集え、チャレンジャー!熱き戦いの一杯】
ラーメンは、時に私たちの食欲を試すもの…。大人になってすっかり忘れてしまったチャレンジ精神を呼び起こしてくれるラーメンが、ここ佐川町にあります。やって来たのは高知県民におなじみの「豚太郎 佐川店」です。
豚太郎といえば、味噌・塩・しょうゆのラーメンとギョウザは全店同じですが、他のメニューは各店のオリジナルとなっています。ここ佐川店にも多彩なオリジナルメニューがありますが、中でも異彩を放っているのが、激辛のラーメンです。
こちらの「激辛みそ五目」は、辛さが5倍・10倍・15倍・20倍から選べるようになっています。私がこの日注文したのは、一番優しい5倍。それでもスープは赤いです。一口食べた瞬間は「おっ、全然いけるよ」と思うんですが、後からジーーン、ジーーーンと辛さが響いてきます。でも、たまに野菜と絡まって現れる卵のまろやかさが辛さを忘れさせてくれ、また次の一口が欲しくなります。できたてアツアツがいつまでたっても続いている気がするのは、きっと辛さのせいですね。
辛さの好みは人それぞれなので、なんともガイドしにくいのですが、「カレーはいつも辛口」という方なら5倍か10倍で良いでしょう(ただ、何回も言いますが辛いですよ)。ガツンと辛いのが食べたい人は15倍を(ただし責任は負いかねます)。20倍については、店長さん曰く「作っている方も辛くてたまらない」ということなので、お店と自身の体にご相談の上ご注文ください。
また、佐川店では30分以内に大盛りラーメン2杯を食べたら無料になるチャレンジも実施しています。一昔前の豚太郎ではどこのお店でも見かけた案内板ですが、今では見かけることも少なくなっています。懐かしいですね〜。
激辛も大盛りも、器ではなく「自分自身」と向き合う神聖なチャレンジです。決して遊び半分でご注文しないようにお願いしますね!
豚太郎 佐川店
高知県高岡郡佐川町甲上郷462-2
電話 0889-22-1907
営業時間 11:00〜22:00(OS21:30)
定休日 木曜
駐車場あり
日高村【とろりぽかぽか。秋冬に食べたいチャンポン】
現在、オムライス街道がホットな日高村ですが、おいしさも温もりもホットな一杯があるのをご存知でしょうか。それが「龍鳳」の名物であるチャンポンです。
チャンポン麺といえば白濁したシャバシャバのスープにザク切り野菜が乗ったイメージですが、こちらは色の濃いトロットロの″あん″に細かい野菜や魚介がたっぷり入った真逆のスタイル。でも、お店がオープンした20年以上前から、龍鳳ではこれがチャンポンなのです。
箸を持つ手にぐっと力を込めて麺を引き上げると、ずしっと重い! 鶏ガラや野菜などでとった自慢のスープが麺に絡まり、「一緒に食べて〜」と訴えかけてきます。アツアツを口に運ぶと…う〜ん、スープや具材の色々なうま味が一つになった、なんとも贅沢な味わい。やわらかな〝あん″と麺が生み出す食感も絶妙です!
中華料理店ですが、こちらもオムライス街道参加店。盛り付けが華やかですね〜。オムライスもどこか中華の風味を感じるなかなかの個性派です。どちらもぜひご賞味を!
龍鳳
高知県高岡郡日高村本郷251-3
電話 0889-24-4112
営業時間 11:00〜14:00、17:00〜21:00
定休日 日曜
駐車場あり
仁淀川町【130年以上続く旅館で、職人技の一杯を】
一見するとラーメン屋さんがないように思える仁淀川町ですが、実は意外な場所でおいしいラーメンが食べられます。それが、こちらの旧仁淀村にある「旅館 合田」。なななななんと! 130年以上続く超老舗の旅館なのですが、お昼だけ営業している食堂でラーメンが楽しめるんです。
こっ、これは! 日本が誇るラーメンの王道をゆく味!! 自家製スープはしっかりとしたうま味にしょうゆのキレが合わさり食欲をかきたてます。レンゲを持つ手が止まりません。
シンプルな具にもこだわりをひしひしと感じます。厚切りにされたチャーシューは、スープの味にアクセントを加えるほんのり甘めの味付け。程よい肉の食感があり、食べ応えを感じます。また、メンマ代わりのタケノコも絶妙。「今日のタケノコは少し硬めだったので、薄切りにしましたが、お口に合いましたか?」と声をかけてくれたご店主さん。はい、もうお口に合いすぎてあと2杯食べたいです。日々変化する自然の食材を使いながらも変わらぬ味が出せる…これぞ職人の技なんですね。
じんわりじんわりうま味が広がるスープ。残すのがもったいなくて飲み干してしまいました。すると器の底に「合田」の二文字が。うーん、渋い!
ちなみに、仁淀ブルー通信でラーメンの紹介をさせてくださいとお願いすると、当初「うちは広めてもらうほどの店ではないから」とかなりご謙遜されていました。というのも、こちらは旅館以外にも宴会や仕出しなどの営業もされており、そちらが忙しい時は食堂がお休みになるんだそう。そうしたこともあり、「幻のラーメン」とも呼ばれているこちらの一杯。食べたい方は営業しているかどうかご確認の上、ご来店を!
旅館 合田
高知県吾川郡仁淀川町森2577-19
電話 0889-32-1034
営業時間 11:30〜14:00
定休日 食堂は臨時休業があるので来店前にご確認を(宿泊予約は常時受付)
周辺に共有駐車場あり
越知町【大注目のご当地麺を食べに行こう】
最後にご紹介するのは、ご当地グルメ界隈を賑わせているこの一杯! 越知町に新星のごとく現れたニューカマー「おち汁なし担々麺」です!
こちら、今年6月に行われた四国のうまいものナンバーワンを決める「第1回四国食1グランプリ」で優勝に輝いた逸品なんです。食べたい!
越知町産の山椒を使ったオリジナルソースが心地よい辛さを生み、ネギと温泉卵を混ぜれば味が奥深く変化。とにかく食が進むそうです。また、いつもお客さんが並んでいる越知町の人気店「松田精肉店」のひき肉を使い、食べ応えも満点なんだとか。本当に食べたい!
考案したのは、約25年間ラーメン屋で腕を磨いてきた倉橋健一さん。現在、越知町の地域おこし協力隊として活動されています。もともと越知町の一大イベント「コスモスまつり」にのために考案・提供されたメニューだったそうですが、そこで評判を集め、「第1回四国食1グランプリ」に出場することになったのだそう。数あるご当地メニューをおさえての優勝はすごいですね。
優勝に輝いたということもあって、「どこで食べられるの?」という問い合わせが多いそうですが、今のところ店舗販売はされていません。しかーし! 間もなく開催される「第34回 越知町コスモスまつり」で、今年も販売されることが決定しました! 絶対食べたい!
会場には、約150万本のコスモスが咲き誇りますので、たとえ″花より団子″なあなたでもうっとりすること間違いなし。カヌー体験やよさこい踊り披露、ライブなどお楽しみ満載ですのでぜひ足を運んでみてください。
第34回 越知町コスモスまつり
開催日 平成28年10月1日(土)~10月16日(日)
開催場所 越知町宮の前公園
駐車場 無料700台
※おち汁なし坦々麺の販売時間は10:00~16:00まで。無くなり次第終了です。
(仁淀ブルー通信編集部 高橋さよ)
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