2016.07.15暑さを吹き飛ばす「チョーきもちいい」ソフト・ラフティング

暑さを吹き飛ばす「チョーきもちいい」ソフト・ラフティング

「ラフティング」というと激流を下るハードな遊びのイメージがありますが、仁淀川のそれは気持ちいいだけでなく、とっても優しい。大人も子どももおじいちゃんもおばあちゃんも楽しめる。しかも手ぶらでOK。名づけて「ソフト・ラフティング」。はてさてどんな具合なのか、高知のテレビクルーを連れて体験してきました。

7月に入っていきなり猛暑が襲ってきた高知ですが、こういうときエアコンをがんがん効かせて室内に籠もる「空冷派」と、炎天下に飛び出して水遊びで体温を下げる「水冷派」の2つのタイプに分かれますよね。私は真夏の太陽がじりじりと照りだすと、我慢しきれなくなってアユ竿を持って一目散に仁淀川に向かう「水冷派の釣り師」です(笑い)。お気に入りのポイントは仁淀川中流域の越知町鎌井田(かまいだ)の瀬。ここは仁淀川が盲腸のように大きくΩ型に蛇行している区間で、アユが好む荒い瀬が連続する好釣り場です。週末の朝からそこでのんびり竿を出していると、上流から歓声とともにゴムボートが次々と流れて、じゃなかった下ってきます。これは越知町観光協会が主宰する「ラフティング・ツアー」のゴムボート。いつも「楽しそうだなあ」と手を振りながら見送っていたのですが、今回は私が準レギュラーで出演しているバラエティ番組のスタッフを案内して番組取材を兼ねた体験をすることになりました。その様子をお伝えしましょう。

article_03902.jpg廃校になった旧明治中学校の校舎がラフティング参加者の受付になっている。ライフジャケットやウエットスーツ、ヘッドギア、ウエットシューズなどのレンタルもここで。

越知町観光協会のラフティング・ツアーの「売り」は以下の3点があげられます。

1.手ぶらでOK→必要な装備はすべてレンタルで用意
2.家族連れで楽しめる→ラフティングといっても「水遊び」に近いガイド付きの安全で危険のないコース設定
3.記念写真がもらえる→ガイドが撮った写真を後でダウンロードできる

まずは集合場所に指定された鎌井田地区の旧明治中学校へ。ここにラフティングの受付とレンタル道具を常備した事務所がある。マイカーの駐車場もあり、ラフティング中はここに車を停めておくことができます。 事務所で受付を済ませ、レンタルのウエットスーツやライフジャケットを身につけて、スタート地点に向かう。越知の中心市街地からやや下流にある本村キャンプ場の河川敷には真っ赤なポルシェのような(笑い)ラフティング専用ゴムボートがすでにわれわれを待っています。基本的なパドル操作や船上での身のこなし方のレクチャーを受けた後、いよいよゴムボートに乗って出発。

article_03903.jpg河川敷の本村キャンプ場がスタート地点。番組撮影の準備に入るテレビ高知のスタッフ
article_03904.jpg「さあこれから出発」ガイドの「きんちゃん」こと金原隆生さん(左端)とテレビ高知キャスターの藤崎美希さん、私、カメラマンの岩崎賢さん。

漕ぎ出して最初の30分くらいは穏やかな瀞や渕が連続する区間を流れるのでのんびりモード。「漕ぎたい人は漕いで、漕ぎたくない人はまったりしててくださいネ」とガイド兼船頭の「きんちゃん」こと金原隆生さんが声をかける。やや緊張気味だったテレビクルーの肩の力がふっと抜ける。なかなかおちゃめで優秀な船頭さんだ。じつはきんちゃんは東京都出身。仁淀川の水の美しさに惚れて、誘われて越知にやってきた移住組だ。ガイドのほかに「縁-en」というゲストハウスをここよりちょっと下流の越知町片岡地区で営業している。 ボートが浅い場所を通過するときには小石や砂を敷き詰めた川底がはっきり見える。地上の景色はほとんど動かないのに川底だけがけっこうなスピードで上流に向かって飛んでいく。この感覚は宇宙船の中の宇宙飛行士と同じなのではと思う(飛んだことはありませんがね)。そして大自然の中を「川の流れ」という自然エネルギーを利用して猛スピードで移動する「疾走感」こそが、ラフティングやカヌーをする人たちを惹き付けてやまない楽しさの真髄だと思う。まだ未体験の方は、ぜひ一度この感覚を味わっていただきたい。

article_03905.jpgこれからダイビング遊びをする大岩の上で。藤崎キャスターの顔がややこわばってます。
article_03906.jpg川を下るだけでなく、こんなドキドキヒヤヒヤメニューも。岩からのダイビングは初級、中級、上級の3つのポイントが選べる。
article_03907.jpgラフトの添乗員は越知町観光協会の西村愛さんと、越知町企画課の尾方美貴さん。ともに地域おこし協力隊員だ。
article_03908.jpg足先を意識して上げるとライフジャケット効果でぷかぷか。ラッコの気持ちが分かります(笑い)。
article_03909.jpg仁淀川シンクロペア、なんちゃって。

途中、大岩からのダイビングや、ボートと一緒に急流を流されたりなどの「ずぶ濡れオプショナル・ツアー」を楽しみながら鎌井田地区にある浅尾沈下橋の下をくぐり、すぐ下流の荒い瀬を乗り切ったところで接岸、上陸。所要時間1時間半、全長約8kmのラフティング・ツアーの終了です。 大雨のあとということもあり、取材当日(7月5日)の水温は20度前後(私の体感温度デス)とやや低めだったが、梅雨が明けて水量が減ってくれば仁淀川のこのあたりの水温は温水プール並みに上昇してくる。ウエットを着てさえいれば一日中水の中にいても大丈夫。そうなればいよいよ「チョーきもちいい」(北島康介さん、いただきました!)仁淀川ソフト・ラフティングの季節到来です。

article_03910.jpgスタート地点の本村キャンプ場→終点の浅尾沈下橋間は、人家もなく川からは初夏の仁淀の山並みと土佐文旦の段々畑が見えるだけ。超きもちいい!

◆仁淀川ソフト・ラフティングの詳細は越知町観光協会のHPを
http://www.town.ochi.kochi.jp/kankou/activity/rafting.htm
◆問い合わせは越知町観光協会 ℡0889-26-1004
◆ゲストハウス「縁~en」℡0889-27-2530
http://guesthouse-en.sakura.ne.jp

(文/仁淀ブルー水冷派通信員 黒笹慈幾、ラフト中の写真/越知町観光協会)
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