2015.09.15仁淀川・天空の棚田にも収穫の秋がやってきた

仁淀川・天空の棚田にも収穫の秋がやってきた

本流から支流へと遡り、仁淀ブルーの最初の一滴を生み出す山々へ――そこには仁淀ブルーに負けるとも劣らない驚きの風景が待っています。今回は、仁淀川流域の代表的な棚田を紹介しましょう。上の写真は津賀谷の棚田。

 国道194号線、いの町柳瀬にある「高知アイス売店」付近で仁淀川に流れ込む上八川(かみやかわ)川は限りなく透明な流れ。その上流部の山肌、標高差200mにわたって築かれた「津賀谷の棚田」は「津賀谷(つがのたに)千枚田」とも呼ばれ、その始まりは奈良時代という由緒ある棚田です。地形図の等高線のような曲線で形づくられたこの棚田、なんとすべて自然の石を積んでできたもの。形も大きさも不揃いな石を正確に積み上げるにはどれほどの努力、そして技術が必要だったことでしょう。しかも素朴な道具しかない時代に……古の人々に脱帽です。

 石積みの見事さでは「長者の棚田」も見逃せません。愛媛県境に近い仁淀川町長者(ちょうじゃ)地区、長者川を見下ろす棚田なのですが、この景観が見事。一般的に棚田といえば民家がまばらな山奥にひっそりとあるものなのに、ここは雰囲気がちがってなんだか賑やかなんです。直線的な石垣を積み重ねた古代遺跡のような棚田の中に、数十軒の民家が山肌に沿って横並びで密集しているのです。

その集落の中を歩けば、まるで街道筋の旧宿場町のような景観。旅館があるし、散髪屋もあります。かつては食料品店や飲食店、診療所、なんとパチンコ屋もあったらしい。棚田の中に繁華街があったのはここ「長者の棚田」が日本唯一なのだそうです。棚田を見渡す農家レストラン「だんだんの里」で一休みして地元の人から昔話などを聞けば、日本で唯一の「天空の棚田ワールド」をより楽しめるでしょう。

●棚田のデータ
津賀谷の棚田/いの町上八川津賀谷。
国道194号線を本山・大豊町方面に進むと「津賀谷の棚田」の看板あり。棚田への車道はとても狭く、案内板もないので運転は要注意。徒歩で棚田を目指すなら、旧吾北村立中央小学校近くの「いの町消防団・上八川分団第三班屯所」の東にある坂道を登るとよい。高知自動車道 伊野ICから、車で50分。

長者の棚田/仁淀川町長者乙。
高知市街から車で国道32号、33号、439号経由で約1時間半。農家レストラン「だんだんの里」は営業が9:00~15:00で月・水・金曜定休、電話は0889-32-1833。
article009_img01長者の棚田
article009_img02長者の棚田の集落
article009_img03農家レストラン「だんだんの里」
article009_img04だんだんの里の名物「星ヶ窪カレー」(サラダ付で500円)

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